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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「血が騒いだ」「目が見えないのに、どうやってラグビーを?」東大出身の異色ラガーマンが電撃就任…ブラインドラグビー日本代表監督の濃密な“159日
text by

山川徹Toru Yamakawa
photograph byJBRU2026
posted2026/11/04 11:01
今年6月にブラインドラグビー日本代表ヘッドコーチに就任した村田祐造(51歳)
弱視。一言でそう言っても、選手たちの見え方は多様だ。筒を覗くように視野が極端に狭い場合もあれば、中心暗点といって、視野の中心部分が見えない場合もある。水中にいるように、視野全体がぼやけて見えるケースもある。日本代表とはいえ、ラグビー経験者は3人だけ。選手たちは、サッカー、野球、スノーボード、ソフトボール、サイクリング、キックボクシング、バレーボール、ハンドボール、サーフィン、空手、水泳などに打ち込んでいた。なかには10年近くスポーツから遠ざかっていた選手もいた。
見え方も競技経験も異なる選手たちに村田はひとつのスローガンを示した。
『利他の心で走り勝つ』
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「私もそうだったのですが、人間って、自分のためだとすぐに諦めてしまいますよね。視覚障害者のなかには、先天的に弱視の人もいれば、病気や事故などで視覚に障害を負った人もいます。私もブラインドラグビーにかかわるようになってから知ったのですが、視力が徐々に奪われていく――その絶望や恐怖と戦っている人がいます。障害があることで、仕事を変えざるをえなかったり、日常生活を送るのが難しくなったりする人もいます。そうした人たちの希望になってほしかったんです。いつ誰が障害を負うかなんて、誰にもわかりません。ブラインドラグビーは、利他……ほかの人を支える取り組みになるはずだ、と」
生命線となる“声かけ”
ブラインドラグビーでは、仲間の位置や動きの視認が難しい。そのため、プレー中のコミュニケーションがとりわけ重要になる。
自分がボールを持つ仲間の右にいるのか、左にいるのか。声で伝える。1メートル離れていれば「1」、3メートルなら「3」。手渡しでボールを受け取りたいときは「0」……。パスを受ける側が常に声をかける。
パスを出す側は、仲間の声に耳を傾けて味方の距離や位置を把握しなければならない。互いに配慮しながらプレーする。それが、ブラインドラグビー日本代表が目指す“利他の心”だ。


