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「黄」から「紫」へ。セガサミー里見治紀社長が語る東京サンロッカーズの挑戦とスポーツ事業にかける本気

posted2026/11/05 10:30

 
「黄」から「紫」へ。セガサミー里見治紀社長が語る東京サンロッカーズの挑戦とスポーツ事業にかける本気<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Takuya Sugiyama

開幕戦ティップオフ3時間前。新章を迎えた「東京サンロッカーズ」の挑戦を軸に、総合エンタテインメント企業であるセガサミーが、スポーツを事業として手掛ける意義と情熱を語る。

――Bプレミア移行に伴い「サンロッカーズ渋谷」から「東京サンロッカーズ」に生まれ変わり、新しいスタートを切りました。

「サンロッカーズは設立から91年目を迎えた、現存するプロバスケットボールクラブで最古のクラブです。我々はその重みを日立さんから受け継いでいます。かつて東京を名乗っていた時期もあり、Bプレミアになるタイミングで戻すことになりました。ただ若者文化の発信地である渋谷に10年間ホームアリーナを置いてきたマインドを大切に、最もスタイリッシュに、かつ、とんがったチームでありたいという思いがあります」

――新しいロゴには「EST.1935」と大きく入り、メインカラーを「黄」から「紫」に変更しました。

「紫は情熱を表す『赤』、冷静さを表す『青』を併せ持つ色であり、東京らしいカルチャーを表現できると考えました。渋谷区のシンボルとして知られるハナショウブの色でもあり、サブカラーとして使ってきたことも理由の一つです。メインカラーを変えるというのはとても大きな決断です。経営者としては変えないほうが安定飛行で圧倒的に楽。ですが、黄はBプレミアのほかのチームも使用しているのに対して紫は空いていたこともあって差別化を図って勝負に出ていく意味でも思い切ってやってみよう、と。黄もサブとして残していますし、ファンのみなさんにも受け入れていただいているのかなと感じます」

――約1万人収容のトヨタアリーナ東京が新たなホームアリーナとなります。千葉ジェッツとの開幕戦は満員。大型ビジョンを使った演出はユニークで遊び心がありました。

「時代はモノ消費、コト消費から、瞬間を楽しむトキ消費に移っています。その象徴がライブエンタテインメント。セガサミーグループのグループミッション・パーパス『Captivate the World 感動体験を創造し続ける ~社会をもっと元気に、カラフルに。~』とも合致します。ライブで1万人に見ていただける環境が整い、試合でもそれ以外でもさらに盛り上がってもらえるものを提供したい。グループ会社であるセガの人気キャラクター『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』とのコラボレーションなど、いろいろと楽しんでもらえる工夫を考えていかなければなりません」

――里見社長自身、高校時代に留学したアメリカでスポーツとエンタメの融合を目にした経験が大きかったと伺いました。

「マイケル・ジョーダン、デニス・ロッドマンらがいたシカゴ・ブルズの試合を観て“こんな世界があるのか”と身が震えるほどに感動を覚えました。ちなみにそのとき買ったジョーダンのレプリカユニフォームの背番号は45。'95年の一時期しかその番号を着けていないレアものなんです(笑)。

 たとえばゴルフのPGAツアーでは2万人が入るスタンドに囲まれた名物ショートホールがスコッツデールにありますよね。選手が打つときもガンガン音楽が流れていて、日本なら静かにしなきゃいけないのに真逆。そういった視点はいろいろと参考にさせてもらっています」

――セガサミーはプロダンスのDリーグに参戦する「SEGA SAMMY LUX」、競技プロ麻雀のMリーグに参戦する「セガサミーフェニックス」のほか、「長嶋茂雄 MEMORIAL セガサミー チャリティープロアマ大会」の開催などスポーツ事業との関わりがますます深くなっています。

「11年に東日本大震災が起こった際、(電気を消費する)パチンコホールやゲームセンターが営業していいのか、という世間の声が多く寄せられました。もちろん生活インフラが優先されなければなりませんが、なくてはならないものの一つは心の癒しです。(先代社長の)父は『エンタテインメントの力で、少しでも気晴らしになってもらえれば』という思いで提供を続け、それはコロナ禍においても同じでした。癒しを、感動をみなさんに提供できるのが我々の強みであり、だからこそのスポーツ事業。ライブエンタテインメントの価値が非常に上がっている昨今、可能性を感じるこの分野に力を入れていきたいと思っています」

――東京サンロッカーズがより愛される存在になっていくために大切なこと、とは。

「私がBリーグを初めてライブで観戦したのが横浜アリーナでのアルバルク東京と千葉ジェッツのファイナル。日本のバスケの盛り上がりを肌で感じ、『エンタテインメントとビジネスを両立させていく』というBリーグの姿勢に共感を覚え、参入した経緯があります。ファンをいかに大切にできるか――。選手は入れ替わっていくためスター選手に依存するのではなく“箱推し”してもらえるよう、ファンを増やしていける施策を打ち、利益も出していかなければなりません。

 個人的には1シーズンにおいてリーグ、天皇杯、EASLの3冠を獲得する初めてのチームになって歴史をつくってほしいという願いがあります。ただ何よりも一生懸命にプレーする姿を通じて、ファンのみなさんに感動を持ち帰ってもらえるようなチームにすること。それが一番ですね」

里見 治紀Haruki Satomi

セガサミーホールディングス株式会社 代表取締役社長 グループCEO

 

1979年1月11日生、東京都出身。'01年4月国際証券(現 三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社、'04年3月サミーに入社した後、'12年カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクール修士課程修了、MBA。'21年4月より現職。'22年9月よりサンロッカーズ取締役会長も兼務。

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