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タイガー・ジェット・シンが凶器襲撃→観客が救急搬送…“事件”はなぜ起きた?「薄かった危機感、羨ましがるファンも…」再考すべき“プロレスの安全性” 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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posted2026/10/20 11:04

タイガー・ジェット・シンが凶器襲撃→観客が救急搬送…“事件”はなぜ起きた?「薄かった危機感、羨ましがるファンも…」再考すべき“プロレスの安全性”<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

10月17日、試合会場で客席襲撃を行ったタイガー・ジェット・シン(82歳)

 カメラがあろうとなかろうと、人前では“狂虎”に徹するのだ。シンのエピソードとして有名なのは「新宿伊勢丹襲撃事件」。73年、妻の倍賞美津子とショッピングをしていた猪木にシンが襲いかかった。試合会場や会見場、道場での乱闘ではない。一般の通行人もいる路上での出来事だった。

 プロレスはスポーツであり、同時にエンターテイメントでもある。“キャラ”としてリングに上がる選手もいるし、フィクション性が伴うジャンルだ。だがプロレスは虚実皮膜の世界とも言われる。ビジネスの世界でも成功しているというシンだが、“敵”に対すると彼の狂気、ヒールとしてのプロ意識はフィクションのラインを踏み越えてしまうのだ。シンはそういうプロレスラーなのだと言うしかない。

 会場の警備体制も、それを踏まえたほうがよかったということではないか。また観客も“自分は客だから安全だ”というわけにはいかない。シンの全盛期とは違い、今はほぼすべての観客がカメラ(スマホ)を持っている。選手が目の前にいたら、つい撮りたくなる。けれどシンの暴れ方は昭和のままだった。

シンは「私の前にいたのが間違いだ。彼が悪い」

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 大会翌日にXで開設されたシンのスタッフアカウントでは「昨日のタイガーの行為について謝りたい」との投稿があった。一方でシン自身は東京スポーツ紙の取材に「私の前にいたのが間違いだ。彼が悪い。わかってるだろ、俺から逃げればいいだけだ」とコメントしている。

 世間一般の感覚からすればメチャクチャだ。ただ「それでこそプロ」と考えるプロレスファンもいるだろう。工藤も謝罪と今後の対策とは別のこととして「みなさんが見たいシンさんが見られたのでは」と語っている。

 かつてブルーザー・ブロディはチェーンを、スタン・ハンセンはブルロープを振り回しながら入場してきた。シンもそういう時代の選手だ。リングサイドはどこまで安全なのか――もしかすると運営側にも観客側にも、世代による意識のギャップがあるのかもしれない。

【次ページ】 再認識した“プロレスの怖さ”

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