プロ野球PRESSBACK NUMBER

「この状況は非常に危険」今年のプロ野球“死球が多すぎる”問題…元スコアラーが分析する「意外なワケ」とは? いま思い出す「野村克也の教え」

posted2026/10/14 11:00

 
「この状況は非常に危険」今年のプロ野球“死球が多すぎる”問題…元スコアラーが分析する「意外なワケ」とは? いま思い出す「野村克也の教え」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今季、両リーグ最多の20個の死球を受けた阪神の森下翔太。なぜ今季はこれほど死球の話題が多かったのだろうか?

text by

酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

PROFILE

photograph by

Sankei Shimbun

 今季のプロ野球で連日報道された「死球」問題。なぜ、その数が増えているのか。そしてなぜ、阪神・森下翔太の死球は激増したのか――? かつて侍ジャパンスコアラーを務めた志田宗大氏が分析した。《NumerWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》

 ああ、またか……。

 バンテリンドームナゴヤで相次いだ“悲劇”に触れ、なんとも暗い気持ちになった。中日の土田龍空が8月26日、阪神戦の8回に桐敷拓馬のストレートを背中に受けたのだ。その11日前にも同僚の村松開人が巨人戦で死球に遭っていた。ともに右肩甲骨の骨折だった。わずか2週間ほどのあいだにふたりが死球で戦線離脱する異常事態である。

 それから1カ月後、東京・品川の下町にある、昭和の香りが色濃く漂う喫茶店で、その時のことが話題になった。

ADVERTISEMENT

「肩甲骨ってモロいんで……あまり肉がない部位だから、直接ボールが当たれば、折れてしまうケースが多いんですよね」

 そう言って表情を曇らせたのは、元ヤクルトの外野手で、引退後は侍ジャパンなどでスコアラーを務めた志田宗大である。

 今季のプロ野球で大きな話題を集めたひとつが「死球禍」である。

 過去の12球団死球数を引き合いにして、いかに今年が多いかと論じたメディアもあった。ただ、その総数をみたとき、たしかに多いのだが、決して突出しているわけではない。今季の632個は最近10年では2022年の638個や19年の633個を下回る。それなのに、なぜ、これほど今年は死球がクローズアップされたのだろう。

 そのひとつは、名のある選手たちが開幕早々に死球で苦しめられた点が挙げられる。

阪神・近本、ソフバン・今宮…有名選手が「死球禍」に

 4月26日の広島戦で左手首を骨折した阪神の近本光司は3カ月近くチームを離れた。ソフトバンクのベテラン、今宮健太も同11日の日本ハム戦で死球を受け、かれも村松や土田と同じように肩甲骨を骨折する憂き目にあった。選手がひとり、またひとりと傷つくたびにSNSでは当てた投手が炎上するなど、ちょっとした騒動になった。

 いま、ライブリッツ社で野球データアナリストとして活躍する志田は「プロ野球界にいないので、私自身の仮説になるところもありますが」と前置きしつつ、死球の“多さ”が取りざたされた今シーズンの傾向について、こんな見立てを明かす。

【次ページ】 球速は全体的に向上…一方で制球力は?

1 2 3 4 NEXT
#志田宗大
#森下翔太
#佐藤輝明
#藤川球児
#阪神タイガース
#野村克也
#古田敦也
#東京ヤクルトスワローズ

プロ野球の前後の記事

ページトップ