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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
那須川天心陣営「3ポイントは取れている」“序盤の誤算”はなぜ起きた? 長谷川穂積が解説する“井上拓真のうまさ”「ジャッジが王者に流れる傾向もある」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/10/01 17:25
那須川天心に右ショートをヒットさせる井上拓真。拮抗した試合展開のなかで、的確にポイントをピックアップした
「素晴らしいワンツー。一気に面白くなった」
それでも那須川は必死に拓真に食らいついた。そして7回、ワンツーで拓真からダウンを奪う。打ち合った直後、一瞬笑った拓真の顔面に突き刺した見事なワンツーだった。これには長谷川さんも驚いた。
「あれは素晴らしいワンツーでした。これまでの試合を見ていて、拓真選手は一瞬気を抜いてしまうクセがありました。そこを天心選手は逃さなかった。拓真選手にしてみれば、思ったよりもパンチが伸びてきたという感覚だったかもしれません。あれで一気に試合は面白くなったと感じました」
どちらかといえば拓真の術中にはまっているかに見えた那須川の起死回生の一発だった。拓真が立ち上がって、残りは2分30秒ほどあった。那須川にとって絶好のチャンスだったが、ここで拓真はまたしてもキャリアに裏付けされたうまさを発揮した。フィニッシュを狙った那須川に効果的な追撃を許さなかったのである。
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「拓真選手はロープ際のディフェンスが格段にうまい。拓真選手は井岡一翔選手との試合でけっこうロープを背負って戦っていました。あえて前に出させて、サイドに動いて井岡選手の攻撃をかわしていた。今回は右と左の違いもありますけど、あのダウンまではポイントも考えて、拓真選手はロープを背負わないように戦っていたんです。でも、ダウンを取られてこのラウンドは10-8になると分かったので、ロープを背負って休みながらディフェンスして回復しようと考えた。拓真選手はロープ際が得意ですから。冷静な判断だったと思います」
そしてもう一つ、このダウンシーンで長谷川さんの目に留まったシーンがあった。那須川のダウンを奪ったあとの行動である。後編では7ラウンドのダウンシーン、8ラウンド以降の勝負のあや、そしてジャッジへのアピールについて聞いていく。
<後編へ続く>

