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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
那須川天心陣営「3ポイントは取れている」“序盤の誤算”はなぜ起きた? 長谷川穂積が解説する“井上拓真のうまさ”「ジャッジが王者に流れる傾向もある」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/10/01 17:25
那須川天心に右ショートをヒットさせる井上拓真。拮抗した試合展開のなかで、的確にポイントをピックアップした
「今回採点をつけた外国人ジャッジ3人は、両選手の関係性とか、どちらに人気があるのかとか、そういった知識はほとんどなかったと思うんです。そうなるとジャッジにとって両選手はチャンピオンとチャレンジャーという関係でしかありません。どっちかな、というときにチャンピオンにポイントが流れるということは多少あります。そうした傾向もスコアには表れたのかもしれません」
難しいラウンドで上位者にポイントが流れる。たとえばランカーとノーランカーであれば、難しいラウンドはランカーが獲得するケースだ。長くボクシングを観ていて、こうした傾向は体感として確かにある。
「あれは拓真選手がうまいんです」クリンチの攻防
那須川は4回の公開採点でリードを許していると知ってギアを上げた。拓真攻略は簡単な作業ではなかったが、長谷川さんは那須川の成長を見て取った。
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「一番は接近戦の戦い方が格段にうまくなっていました。何かうまくいかなくても、別の手も考えていました。第1戦で見られなかったバリエーションがたくさんありました」
一方で、那須川のいら立ちも伝わってきた。クリンチの際、那須川が再三ラビットパンチをアピールしたシーンである。
「いらついているのがよく分かりましたよね。あれは拓真選手がうまいんです。拓真選手は攻撃したあと必ず頭を振る、ポジションを動かす。距離が近かったら抱き着く。あのクリンチは絶妙です。攻撃とディフェンスがセットなんですよ。だから天心選手はパンチを当てられない。拓真選手はクリンチ際もしつこく、細かくパンチを出す。天心選手はやりたいことができず、いらついてしまったのでしょう。ラビットをアピールする姿を見て、ちょっと集中力を欠いてしまったようにも見えました」


