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日本“学生最速スプリンター”は「国立大学の理系院生」で「アニメキャラのモデル」にも!? 超異色のアスリート・山本匠真(24歳)とは何者か?
posted2026/09/08 18:00
荒天の中で日本インカレ100mを制した山本匠真(広島大院)。国立大の院生でありアニメ映画のキャラモデルを務めるなど異色のスプリンターだ
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph by
Nanae Suzuki
“異色のスプリンター”の戴冠だった。
9月に行われた日本インカレの男子100m決勝。激しい雨と、強い向い風という悪天候の中、初優勝を果たしたのが24歳の山本匠真(広島大院)だった。
序盤こそ出遅れたように見えたが、「あれはあんなもんです」と本人が振り返ったように、スタートの不利は織り込み済みだったようだ。むしろ後半の驚異的な加速は記録以上の強さを感じさせた。
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2位に入った小室歩久斗(中央大)もアジア大会代表の実力者だが、その小室に0秒13差をつける圧勝劇だった。
「本当に自分の思い焦がれていた舞台の決勝なんで……一番自分の中では勝ちたかった試合です。どんなグランプリよりも、これが一番勝ちたかった」
自身初となる全国制覇のタイトルを手にし、笑顔を見せた山本。だが、その名前が陸上界以外でも注目を集めている理由は、その速さだけではない。
彼は「国立大学の大学院で先端技術を研究する理系院生」であり、さらには「話題のアニメ映画のフォームモデル」という、前代未聞の背景を持つアスリートでもあるのだ。
中高時代は無名…「高校でやめるつもり」が?
現在でこそ学生の枠を超え、日本でもトップクラスのスプリンターとなった山本だが、その歩みはエリートコースとは程遠いものだった。
小学校まではサッカー少年。中学校で陸上部に入部し本格的に競技を始めたものの、中学・高校を通じて全国大会への出場経験は一度もなかった。県立国泰寺高校2年時の県大会は8位。高校3年時の2020年にはコロナ禍の拡大に伴い、インターハイをはじめとした主要大会が中止になる不運にも見舞われた。
「陸上は高校でやめようかな」
決して将来を嘱望されたようなスプリンターではなかった。一時はスパイクを脱ぐことも考えたというが、進学した広島大学で先輩に誘われて見学に行った陸上部で「自分はやっぱり陸上が好きなんだ」と再認識。競技を継続する決断を下すと、ここから山本の潜在能力が一気に開花することになる。

