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大晦日の放送事故「腕を折り、中指を突き立て…」青木真也43歳は本当に“丸くなった”のか? カメラマンの胸を打った“哀しみ”「朝倉未来戦の予想はしない」 

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長尾迪

長尾迪Susumu Nagao

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photograph byONE Championship Susumu Nagao

posted2026/09/09 12:07

大晦日の放送事故「腕を折り、中指を突き立て…」青木真也43歳は本当に“丸くなった”のか? カメラマンの胸を打った“哀しみ”「朝倉未来戦の予想はしない」<Number Web> photograph by ONE Championship Susumu Nagao

2025年3月23日、エドゥアルド・フォラヤン戦後に感極まる青木真也。ONE Championshipでは長く孤独な戦いが続いた

「この世の終わりのような顔」敗北後に感じた美しさ

 ライト級で日本のトップになった青木の次戦は、米国での試合だった。2010年4月、テネシー州ナッシュビルでStrikeforceのライト級王座に挑戦。当時のStrikeforceはUFCの次に大きなMMA団体であり、エメリヤーエンコ・ヒョードルも参戦していた。青木は王者ギルバート・メレンデスに対し、タックルから寝技勝負を仕掛けようとするが、試合は思い通りに進まない。スタンドでは劣勢が続き、得意のグラウンドでも上からメレンデスのパンチを一方的に受け続けた。結果はフルマークの判定負け。完敗であった。

 試合後、敗北の悔しさを一切隠すことなくケージから降りた青木を撮影しながら、その姿に心を打たれた。一般的に負けた選手が、カメラの前で悔しさをあらわにすることは少ない。しかし、青木が惨敗後に見せた表情には、本気で闘っている者にしか出せない哀しみがあった。

 この世の終わりであるかのような深い哀愁に満ちた顔。廣田戦で見せた傍若無人な振る舞いと、残酷な壊し屋の顔。そのどちらも心からの叫びであり、それをストレートに他者に見せてしまう青木は、非常に人間らしいと思う。だからこそひとりの撮影者として、私は青木真也に惹かれるのではないだろうか。本人やファンからすれば不本意だろうが、青木の負けた姿は「美しい」とさえ感じてしまう。

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 2010年12月31日。廣田戦からちょうど1年後、会場も同じさいたまスーパーアリーナだった。青木はキックボクサーの長島☆自演乙☆雄一郎と対戦。1ラウンドは3分のキックルール、2ラウンドが5分のMMAルール。2ラウンドで決着がつかない場合は引き分けというミックスルールだった。長島に有利なキックルールで試合が始まったが、当然のように青木は打撃には付き合わず、ドロップキックや組み付きなど、反則すれすれの攻防で3分間を凌いだ。

 2ラウンドは青木の土俵であるMMAルールだ。もはや長島に勝ち目はないと誰もが思うなか、ゴングが鳴ったそのときだった。青木のタックルに合わせた長島の膝蹴りが顎にクリーンヒット。青木はその場に崩れ落ち、衝撃的なKO負けを喫した。策士が策に溺れての敗北は、まさしく青木らしいアイロニーに満ちたヒューマンドラマのようだった。

【次ページ】 青木真也は本当に“丸くなった”のか?

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