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格闘技PRESSBACK NUMBER
大晦日の放送事故「腕を折り、中指を突き立て…」青木真也43歳は本当に“丸くなった”のか? カメラマンの胸を打った“哀しみ”「朝倉未来戦の予想はしない」
text by

長尾迪Susumu Nagao
photograph byONE Championship Susumu Nagao
posted2026/09/09 12:07
2025年3月23日、エドゥアルド・フォラヤン戦後に感極まる青木真也。ONE Championshipでは長く孤独な戦いが続いた
青木真也は本当に“丸くなった”のか?
朝倉未来が現在、日本で最も有名な格闘家であることは論を俟たない。地元の豊橋でストリートファイトに明け暮れ、16歳から18歳までを少年院で過ごす。その後、プロ格闘家を目指し、前田日明が主催する「THE OUTSIDER」で活躍。2018年8月、26歳でRIZINデビューし、日沖発、カルシャガ・ダウトベック、リオン武、ルイス・グスタボ、矢地祐介と、難敵をことごとく退けて一躍スターダムにのし上がった。YouTuberや実業家としても成功を収め、若年層を中心にカリスマ的な人気を誇っている。
11年前、RIZINの旗揚げ戦のメインイベントで、青木はかつての憧れだった桜庭和志に引導を渡した。だが今回は立場が逆転する。日本人ファイターとしてMMAの最前線に立ち続けた青木が、現在の日本MMAの象徴である朝倉と雌雄を決する。
43歳になった青木は、ここのところ、かつての壊し屋としての恐ろしさが鳴りを潜めているような印象も受ける。試合を「作品」と形容し、ONE Championshipでのラストマッチとなった手塚裕之戦では、1ラウンドにツイスターでダメージを与えながら、2ラウンドが始まると糸が切れたように動きが止まり、TKOで敗れた。試合後には「最高のプロレスができた」というコメントが物議を醸した。
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朝倉門下であるJTTの新鋭・秋元強真に対しては、グラップリングや寝技の勘所を叩き込む指導者としての顔も見せている。今年4月には川尻達也や宇野薫、ケンドー・カシンらを招いて、プロレス自主興行の『エイオキクラッチ01』を開催した。
だが、どれだけトゲが抜けて丸くなったように見えても、青木真也は青木真也である。ここ一番の大勝負で、「プロレス」や「作品」といった言葉をエクスキューズに使うわけがない。朝倉との試合では、残酷なまでに勝負にこだわる姿勢を見せてくれるはずだ。
MMAの歴史を振り返ると、UFCはスタートしてまもなく、「野蛮」という理由からペイパービューや大会自体をボイコットされた時代があった。その後、PRIDEが全盛期を迎えると、日本が世界のMMAの中心だった輝かしい時代があった。しかし、フジテレビの放映打ち切りを引き金にPRIDEが消滅し、UFCが栄華を極める一方で、日本のMMAは長い氷河期に入った。
冬の時代から20年近くの時を経て、ようやく上昇気流に乗った日本のMMA。栄枯盛衰、その歴史と共に歩んできた身としては、朝倉vs.青木の勝ち負けに興味はなく、予想などはしたくない。
純粋に見たいのだ。現在と過去。カリスマと壊し屋。交錯する2人の生きざま、人生をかけたその戦いを。
<前編とあわせてお読みください>



