野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
「中畑に助けられました。あいつのおかげですよ。だから…」元DeNAのGM・高田繁が南場オーナーを感動させた謝罪の言葉とは
text by

村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/09/07 17:04
対談を行った高田繁(左)と南場オーナー(右)
高田「CSでも日本シリーズでも一緒に観させてもらってね。24年の日本シリーズで優勝した時は、ビジターも行きましょうと誘ってくれたんだけど、俺は行かなくてね。でも、横浜に戻って優勝してくれたのは、本当によかった。南場さんと春田さんとスタジアムを一周させてもらったのも……僕は断ったんですけどね」
「やっとファンの方にお礼を言うことができた」
南場「一緒に挨拶していただきましたね(笑)。高田さんたちが作ってくれた礎を受け継いで、やっとひとつファンの方にお礼を言うことができた。でもその後、もうひとつ上のペナントレースを優勝するということが本当に難しくて、今回高田さんの本を読んでも3年先、5年先を見据えてチームを作っていかなきゃいけないということなんですけど、我々の場合は、ファンの方をお待たせしすぎているので今年勝たなければいけないという気持ちと、先を考えてチームを組み立てなければいけないという部分の両方のバランスを取らなければいけない。それがとても難しいですね」
高田「一度でも勝ったという経験があればいいんですけどね。よくある甲子園の予選で決勝までは行くけど、甲子園には出られないチームが一度その壁を破ればあとはすんなりと甲子園に出場できるチームになるようなものですから」
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南場「ビジネスの世界でもそれは同じですね。一度大きな世界を見て『自分はやれる』という経験をつければそれに合った姿に急成長するんですよ。だからこそ毎年『今年こそは!』と考えてしまうんですけどね……」
高田「権藤(博)さんで優勝した1998年から28年ですか。中長期の視野でチームを作らなきゃいけないのはわかっていても、オーナーが『今勝ちたいんです! すぐ勝ちたいんです!』という気持ちは痛いほどわかりますよ」
南場「今年も相川さんに『チームのことを知っているんだから、今年優勝してください』ってお願いしたんですよ。1年目から酷なお願いをしてしまったんですけど、それでも引き受けてくださって。相川さんは『ベイスターズには優勝できる力がある』ということを心底信じて戦ってくださっている。本当にありがたいです」
「こいつらは巨人の回し者だ!」って
高田「相川は何年もチームにいて内情をよく知っていますからね。ただ、オーナー。勝ちたい、勝ちたいとあまりにも意識しすぎるとね、僕も1年目、中畑と一緒に『巨人にだけは絶対に勝ちたい!』って戦ったんですけど、東京ドームで1勝もすることができなかった。『こいつらは巨人の回し者だ!』ってくそみそに言われましたよ。ばかやろぉ~って。俺と中畑がどれだけ打倒巨人に燃えていたのか。その気合いが裏目裏目に出てしまってね。金縛りになってしまった。本当に勝ちたかったんだ」
南場「あら。私もあんまり勝ちたい勝ちたいと言い過ぎてはいけないんですね(笑)。でもやっぱり、巨人はそうやって目標にされるチームなんですよね」
高田「ベイスターズも“調子に乗らせたら一番怖いチーム”と言われるようにはなりましたけど、逆を言えば、派手さは一方で脆さでもある。ペナントは143試合あります。要点は負けている試合、接戦をどう戦うか。調子のいい時だけ派手にガンガン勝っているだけでは絶対にペナントは優勝できない。勝負所で1点を取りに行く、守り切る、そういう野球ができないとね。それは僕がいた時からずっと課題にしていたことでした」《つづく》
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