甲子園の風BACK NUMBER
偏差値70の名門公立校「甲子園のその後」は? ショートは建築志望、医学部志望のライトは「甲子園から帰って3日目には勉強に切り替えました」
posted2026/09/04 11:01
今夏、偏差値70の文武両道校として甲子園で話題を呼んだ東筑の3年生。(左から)佐藤太亮、平山護、深町光生、筋田泰雅に「これから」を訊いた
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内田勝治Katsuharu Uchida
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Katsuharu Uchida
甲子園の喧噪が去り、蝉の鳴き声も勢いを失いつつある。それでも8月下旬の北九州は、残暑と呼ぶにはまだ早い。午後4時15分。強烈な西日を受ける福岡県立東筑高校の校舎から、7限目の授業終了を告げるチャイムが響き渡った。すでに2学期が始まり、生徒たちは通常通りの時間割で動いている。
その後、制服姿の3年生たちが、取材に応じるために姿を見せた。彼らの夏休みはあまりにも短く、朝から夕方まで授業を受けるこの1日の流れこそが日常だ。9年ぶり7度目の夏を駆け抜けた甲子園という夢舞台こそが、束の間の非日常だったのかもしれない。
甲子園から帰って3日目からは勉強に切り替えた
偏差値70を誇る東筑は福岡県内でも屈指の進学校として知られる。校是である「文武両道」という言葉で括られることは多いが、この学校の持つ空気感は単なる「両立」にとどまらない。3年生の野球部員15人のうち、実に9人が理系を選択、そのうち医学部志望が4人というデータがそれを物語る。文系と比べ履修科目は多く、課外授業や実験、膨大なレポート課題と向き合いながら、彼らはなぜ、昨秋神宮覇者の九州国際大付を倒し、福岡の頂点に立つことができたのだろうか。
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「甲子園から帰ってきて、2日目までは地元の友達と会ったりしていましたが、3日目くらいからはもう勉強に切り替えていました」
穏やかな笑みを浮かべながらそう語るのは、今夏の甲子園初戦で7回から右翼守備に入り、好守を見せた佐藤太亮(3年)だ。夢の医師になるため、早くも“受験モード”へと突入。朝から深夜まで勉強を続けている。
「小さい頃から漠然とお医者さんになりたいなと思っていました。病気になった家族のことを診てくれていた先生に強い憧れを抱いたんです。それからは、お医者さん以外になりたいと思ったことがありませんでした」

