甲子園の風BACK NUMBER
偏差値70の名門公立校「甲子園のその後」は? ショートは建築志望、医学部志望のライトは「甲子園から帰って3日目には勉強に切り替えました」
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内田勝治Katsuharu Uchida
photograph byKatsuharu Uchida
posted2026/09/04 11:01
今夏、偏差値70の文武両道校として甲子園で話題を呼んだ東筑の3年生。(左から)佐藤太亮、平山護、深町光生、筋田泰雅に「これから」を訊いた
「高校で野球をやれる期間は2年半しかありません。勉強は引退してからでも取り返せる部分があると思って、在学中は野球に重きを置いていました。それでも最低限の学習量を維持するために、朝早く起きてやるようにしていました」(佐藤)
「高2まではあまり大学とかは考えておらず、テスト期間にその範囲のことをずっとやっていました。3年になって進路を考え始めた時から、朝は早く学校に来て自習をし、練習が終わって帰宅してからは深夜まで机に向かうようにしていました。睡魔との戦いでしたね」(筋田)
早朝学習を行う理由も明確だ。練習は19時30分に終わり、20時には完全下校となるが、家に帰った後も、すぐに勉強が開始できるわけではない。チーム内では、強豪私学に比べ劣る練習量をカバーすべく、主将の平山護(3年)が「1日500スイング」のノルマを設定した。グラウンド内でノルマに達しなければ、各自が自宅に持ち帰って振り込まなければならないのだ。
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「家へ帰ってからバットを握り、1時間から1時間半かけて足りない分を振り込むんです。それを終わらせてから勉強に取り組むのは、正直かなりしんどかったです」(佐藤)
本気で議論を交わしてチームが変わった
論理思考を重んじる理系球児らしく、自分たちの課題や弱点に対する分析力もきわめて客観的だ。昨秋は優勝候補と目されながらも、福岡大会準々決勝で敗退。今春は決勝で飯塚に1対0と完封負けを喫し、九州大会進出を逃した。悔しい敗戦を重ねたチームは、何かを変えようと、丁々発止の議論を交わし合った。
「春の大会で負けた後、チームで何度もミーティングをしました。それまではどこか遠慮があって『仲良し集団』になっていました。でも、それでは私学には勝つことはできません。本音と本心がバチバチぶつかり合う議論をして、言いたいことを言い合える関係になった。あの摩擦があったからこそ、夏の粘り強さが生まれたんです」(佐藤)
「みんな入学してきた時はスキルも体格もバラバラで、どこか互いに遠慮していた部分がありました。でも、本気のぶつかり合いを経て、ただの友達じゃなく、『家族』みたいな絆が生まれました。だから、夏の過酷な場面でも互いを信じ切ることができたんだと思います」(筋田)

