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甲子園の風BACK NUMBER
「スマホ回収しない」「野球部“ムラ”作らない」甲子園強豪・浦和学院の35歳監督が語る、“野球部を特別視させない”方法「進路指導は現実を伝える」
text by

樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2026/09/01 11:02
今夏の埼玉大会、浦和学院・森大監督の様子
「今は『縛っていいところ』と『縛っちゃいけないところ』がはっきりしてきています。ルールで縛っても破る子は出てくる。隠れてスマホを2台持つとかね。だったら逆に、禁止させない」
野球部ムラをつくらない「基準は学校のルール」
もちろん、自由放任ではない。SNSに不適切な投稿をすれば、マナーの問題として教育する。森が重視するのは、問題が起きた時に野球部の中だけで処理しないことだ。
「全部、学校に報告します。うちは学校教育の中の部活動ですから」
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強豪校では「野球部のことは監督に一任する」という形になりやすい。しかし森は、それを危険視する。
「『監督に一任するよ』となりがちなんです。でも、それが一番怖いんですよ。野球部も学校の中の一組織なんです。問題が起きれば学校へ報告し、学校の生徒指導の枠組みの中で判断してもらう。野球界独特の不文律だけで処理しない。スマホのルールも一般生徒と同じで『学校では使わない。家(寮)では自由』に合わせています。あくまでも学校のルールが基準です」
筆者が「それって、学校生活の中に『野球部ムラ』を作らないということですね?」と聞くと、即答した。
「そうです。そうです。学校組織としてのチーム運営です。その方が風通しも良くなるし、野球部に対しても、正しいジャッジが入ります」
進路は甲子園次第、を変えた
森もコーチの今栄も、一人の教員である。野球部監督である前に、学校教育を担う教師だ。監督が神様みたいになり、先生ではなくなった時が危ない。森は「学校として、正しい組織であることが大事だと思っています」と答えた。
同じ考え方は、選手の進路指導にも表れている。
名門野球部に入る選手は、「甲子園へ行きたい」「プロ野球選手になりたい」「強豪大学で野球を続けたい」といった夢を持っている。しかし、その進路が3年夏の結果だけで大きく左右されるのはリスクが大きい。甲子園に行けたか、行けないかで進路が決まるという問題だ。

