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「スマホ回収しない」「野球部“ムラ”作らない」甲子園強豪・浦和学院の35歳監督が語る、“野球部を特別視させない”方法「進路指導は現実を伝える」 

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樫本ゆき

樫本ゆきYuki Kashimoto

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posted2026/09/01 11:02

「スマホ回収しない」「野球部“ムラ”作らない」甲子園強豪・浦和学院の35歳監督が語る、“野球部を特別視させない”方法「進路指導は現実を伝える」<Number Web> photograph by Yuki Kashimoto

今夏の埼玉大会、浦和学院・森大監督の様子

「滑川総合戦の敗戦後、この1年は『監督として、僕はこうしたい』という意思をより明確にするようになりました。聞く。任せる。支える。それでも、最後に方向を示す責任は監督にある。サーバント型の指導者である自分が、父がやっていたトップダウンの価値を知った。それが、この1年で気づいたこと。大きな変化でした」

「名将」を引き継いだ二世監督の難しさは、偉大な先代と比較され続けることだ。森の場合、同じことをすれば「父親のコピー」と言われ、違うことをすれば「父親の良さを捨てた」と言われる。八方ふさがりだった。

 森も就任当初は「父とは違う」ことを強く意識していた。しかし数年間チームを率い、滑川総合戦での敗戦を経験したことで、父と違うことをすることと、父を否定することは違うと考えるようになっていた。それが「サーバント型」という気づきだった。

「スマホ回収しません」

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 森大の原点が、監督になる前から大きく変わっていないことがわかるエピソードがある。

 2017年。当時の主将・赤岩航輔(前出)は、個性の強いチームメイトをまとめることに苦しんでいた。各地でエースや4番だった選手が集まり、それぞれが強い自負を持つ。全員を同じ方向へ向かせようとするほど、うまくいかなかった。

 泣くほど悩んだ赤岩に、当時コーチだった森大は言った。

「意外と結果を出すのは、そういうやんちゃな奴だったりするんだ。最後に打つのは、そういう奴だったりするんだよ。だから、全部同じようにしようとしたり、押さえつけたりするんじゃなくて、そういうキャラクターなんだから、うまく乗せてあげることが大事なんだ」

 赤岩は「あれで僕は変わりました。そこからコツをつかんで、無敵になったかもしれないです(笑)」と振り返る。

 人を型にはめるのではなく、その人の強みを引き出す。現在、森が語るサーバント・リーダーシップの種は、監督になるずっと前からあったのだ。

 森大の改革は、グラウンドの中だけの話ではない。今の強豪校を取り巻く環境への適応だ。SNS、スマホ、寮生活、保護者との関係など、勝敗以外のリスク管理も増えている。浦和学院は現在、夜に選手のスマホを一律回収していない。

【次ページ】 野球部ムラをつくらない「基準は学校のルール」

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