酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「東大野球部の息子と…幸せでした」元ロッテのサブマリン渡辺俊介が“夏の甲子園不出場”球児とトンボかけのナゼ「対等で楽しい関係性」が尊いワケ
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2026/08/30 17:00
「Ligaサマーキャンプ」に参加した元ロッテ投手の渡辺俊介
「昨日も食事が終わった時に、選手から『明日キャッチボールしてください』と言われました。プロ野球選手だとかそういうことではなく、単純に僕のボール見たいとか、逆に自分のボールを見てほしいとか、そういうことですね。
その場では『将来、大学で野球続けるか迷っているんですけど』みたいな相談事もありました」
――先ほども出ましたが息子の渡辺向輝さんは、東京大学で投手として活躍しました。勉強と野球の両立は、高校生にとって大きな課題だと思いますが。
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「高校生くらいまでは、好きで夢中になってやるのがスポーツで、勉強は好きじゃなくてもやらなきゃいけない。 苦しいけど、生きていく中で勉強したことは絶対生きるので。両立とは少し違うかもしれません。うちの息子は大学3年までは、野球が好きで好きでやっていましたが、4年生になって初めてちょっと苦しくなったようです。プロからも声がかかって可能性ありともいわれて、周りに勝たなきゃいけない、勝ち点とらないと、とも言われ、そういうのを背負って楽しいだけじゃなくなった。そこで初めて息子からいろんな相談を受けました。
そこまで行く人って滅多にないですが、勉強だけじゃなく野球でもそこまで行けて、そういう会話を親子でできたのは親としては幸せでした」
「日本の野球も変わっていく」
渡辺さんは試合が始まるとボールパーソンをしたり、ベンチ前で選手にアドバイスをしたり、忙しく立ち働いていた。
「こういう取り組みって、やりたい元プロ野球選手がいっぱいいると思うんですよ。でも実際にはなかなかできない。それを阪長さんがやっていて、そこに携わることができるのは幸せなことですね。
今後、日本の野球もどんどん変わっていくと思いますが、この取り組みはその最初の部分だと思うんです。何事でも変わるときには、波風も経つでしょうが、その瞬間に立ち会ってみることができるのはうれしいことです。野球の将来には、僕自身が興味がありますから、今後も見つめていきたいですね」
プロ野球で頂点を極めた一流の野球人が、甲子園の夢破れた高校3年生の「最後の野球」を見つめる。それは、いろんな意味で意義深いと思う。渡辺俊介さんのいろいろな言葉、そして行動は「同じ野球をする仲間」として、サマーキャンプに参加した選手たちの心に刺さったのではないか。


