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「イケイケな男前」栗山巧の印象が一変「殺気立った目で睨みつけて…」上本達之が振り返る若手時代「先輩を名字で呼ぶようになって察知した“変化”」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/27 11:04
8月30日に引退試合を迎える栗山巧
普段からさまざまな会話を交わすという上本氏だが、栗山の変化に気づくのも早かった。
「赤田(将吾、現・二軍コーチ)のことをクリは最初、将吾さんと名前で呼んでいたんですよ。それが、一軍に上がり始めたころから『赤田さん』と名字で呼ぶようになった。『ああ、ライバルとして意識するようになったんだ』と僕は思いました。当時は赤田のほうが先にレギュラー争いに加わっていましたから、赤田に勝って自分がレギュラーを取るんだという強い思いがあったのだと思います」
「柔らかくなった」まとう雰囲気に寂しさも
野球に対する姿勢に変化はないものの、まとう雰囲気は年を追うごとに変わってきたそうだ。
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「すごく柔らかくなりましたよね。チームのことを最優先するのではなく、まずは自分のことからがんばろうというふうな心境になったせいかもしれません。あまり感情を顔に出したりもしなくなったので……」
以前までの、ピッチャーとの対戦で一触即発のような状況になる栗山の姿は年々、見ることがなくなった。上本氏は寂しそうに語る。
「僕個人の意見ですが、プレーしているときのクリを見て『おとなしくなったなぁ』と感じたときに、もうちょっと自分を出して、前みたいにヒリヒリする感じでやってくれたらいいのになぁと思ったことがあったんですよ。それで、クリに『僕はもっと自分を出して我を貫いてほしい』と話したことがありました。僕の独り言みたいに言ったのですが、クリは『ああ、そう思っているんですね』みたいな表情で受け取ってくれて、余計なことは言わなかったですね。そのときは何も言わなかったです」
“職人”栗山巧の「変化」
そのとき、栗山が何を思ったのか上本氏にはわからない。
「しゃべらない割に考えていることはすごく多くて、それを内に秘めている感じでしたね。もともと、野球に関しても人との関係についても『そこまで考える?』と驚くくらい考えている人なので、それなのにアウトプットする機会が極端に減った印象を受けました。
自分の中で消化している感じですね。たぶん、自分の中でいろいろ考え抜いた結果、たどり着いた答えが『言葉にしない』という結論だったのかもしれません。もともと、自分でしっかりと整理したあとでないと、あまり人に話をしない人なので……」
そうやって栗山の人間としての変化も近くで目にしてきた上本氏。野球のスタイルについても変化を感じた時期があったという。それは徐々にスターティングメンバーから外れ、代打での起用が増えていたころだった。〈つづく〉


