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北の大地でプロ球団が異例の「夏合宿」!? 育成に舵を切った西武の“獅子の穴”に潜入…篠原響らを1軍に送り出した「美唄きっかけ」の秘密を追う 

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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posted2026/08/19 06:00

北の大地でプロ球団が異例の「夏合宿」!? 育成に舵を切った西武の“獅子の穴”に潜入…篠原響らを1軍に送り出した「美唄きっかけ」の秘密を追う<Number Web> photograph by Masanori Kise

北海道は美唄市のさわやかなグラウンドで夏合宿を行う……プロのチーム? 西武の強化合宿の現地を訪れた

 その練習メニューの豊富さや、種目ごとにじっくりと時間をかけた濃密な練習内容ぶりには、驚かされるものがあった。球場から小高い丘を5分ほど駆け上がれば宿舎に到着できるという、まさしく職住接近。その至便さを活用しない手はなく、打者陣は朝7時50分に宿舎を出ると、同8時からは早出特打に取り組んでいる。

 午前中のチーム練習は実戦形式。走者を塁上において、アウトカウント別のケース打撃では守備のフォーメーションも確認。終わった直後に全員で円陣を組み、生じたミスなどを基に、コーチ陣から細かい指示やアドバイスを受けている。

 昼食を挟んでの午後練習は2時半から。打者陣はティー打撃5カ所、ロングティーが3カ所、ケージが2カ所の全10メニュー。これを10分ずつ、順々にこなしていく。ティー打撃は、10球連続の早打ちがあれば、両足を大きく開き、ステップなしで後ろから前へ体重移動していくものなど、バラエティーに富み、その負荷もなかなかキツい。

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 青木によると、2015年から2年間、1軍監督も務めた3軍野手コーチ・田辺徳雄の発案で、西武の黄金時代から伝わる「伝統のメニューだそうです」。バットを振りながら、あちらこちらから選手たちの悲鳴が上がり、メニューのインターバル中にはグラウンドへ大の字に倒れ込む選手もちらほら。昭和の“スパルタ感”も漂う濃密な練習ぶりだ。

育成選手にとっての「8月1日」の意味

「育成選手からすると、やっぱり8月1日って、また新たなスタートになるんです」

 青木が指摘するのは、支配下登録の期限となる7月31日のこと。この日を過ぎれば、支配下昇格へのチャンスは、また次年度へ持ち越しとなるため、育成組にとっては、新たなる戦いがまた始まることと同義だ。だから、その“区切り”となる8月は、再スタートを切るという意味合いが強いのだという。

 メンバー全員、美唄にやって来る前に、まず夏合宿での目標を掲げる。それは具体的な技術ポイントでも、フィジカル面の強化でも、精神的な狙いでも構わない。その“個々人の思い”を基に、コーチ陣と面談を繰り返し、目標達成のための練習法やアイディア、心の持ち方を話し合った上で、具体的な個人目標をレポートに書き、首脳陣に提出した上で、選手たちは夏合宿に挑んでいる。

 今回のキャンプ打ち上げ後は、所沢に戻って“振り返り面談”も行う予定だという。そうした丁寧なプロセスを重ねる人材育成を、青木は「ライオンズの文化として定着していければいいかな、と思っています」と語る。

【次ページ】 “美唄きっかけ”で飛躍した若手たち

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