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野球クロスロードBACK NUMBER
「期待がどんどん積み上がって…」9回2アウトから…“熊本の初出場校”はナゼ「甲子園の魔物」を呼び出せた? 監督が振り返るその「まさかの理由」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/13 11:02
春夏通じて初の甲子園出場となった熊本・有明高校。初戦の京都・立命館宇治戦では、9回2アウトからドラマがあった
試合後、戦評は淡々とした口調で話していた監督の高見一茂が、この現象の話題になると少しだけ言葉を弾ませていた。
「すごいですね。自分が監督として甲子園に来て、本当にああいう場面に立ち会わせてもらえるというのはすごく貴重な、なかなか体験できないことだと思います」
興奮の余韻。当事者以上に周囲が持続させていたことに、高見はさらに驚かされた。
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「マジで涙が出た」
「校歌を知らないけど口ずさんでいた」
甲子園のうねりを生んだファンからも、そんな声が届いたのだという。
本当にありがたいですよね――目じりを下げながら、高見があの現象を回想する。
「なんで有明がああいうことを起こせたのかって言えば、いろんなことが重なったんだと思うんですよね。まずはやっぱり、7月に熊本地震が起こったことでみなさんに注目していただけたこと。8回までうちが負けていて、チャンスでタイムリーを打っている永田に打席が回ってきたこと。期待されているものがどんどん積み上がっての、あの結果だったのかな、とは思っています」
“甲子園の魔物”はなぜ現れた?
甲子園は初出場校を後押しする。高見が挙げるように熊本地震によって判官びいきのファンの血をたぎらせたこともあっただろう。
ただ、有明が甲子園を揺らしたのは魔物の気まぐれなどではない。「人とのつながり」だ。
この積み重ねがあったからこそ、甲子園で最高の演者となれたのである。
はじまりは、高見が教師となったことだった。
<次回へつづく>

