野球クロスロードBACK NUMBER

「聖光はレベルが高くて行けない」からのスタートも…「高校で球速15キロアップ」福島の絶対王者を封じた「ソフトボール出身」“背番号17”の正体 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

PROFILE

photograph byGenki Taguchi

posted2026/08/08 11:03

「聖光はレベルが高くて行けない」からのスタートも…「高校で球速15キロアップ」福島の絶対王者を封じた「ソフトボール出身」“背番号17”の正体<Number Web> photograph by Genki Taguchi

福島県大会を制し甲子園初出場を決めた東日大昌平。優勝候補の筆頭だった聖光学園を封じたのは、背番号17の剛腕だった

 照沼には「ダメだった自分」を刻む試合がある。2年秋の県大会である。

 日大東北との初戦で2番手としてマウンドに上がったが、リードを守り切れず5回2/3を投げ7失点。敗因の一端を招いてしまった。当時のピッチングについて、照沼は自戒するようにこう振り返っている。

「気負ってしまったのが一番なんですけど、ストレートを打たれて点を取られてしまっても、そこに頼ってしまった自分がいました」

ADVERTISEMENT

 敗戦を糧にシーズンオフの期間も継続的にウエートトレーニングに励み、3年の4月には球速が147キロまでアップした。変化球は空振りが奪えるほど切れ味が鋭いわけではなかったが、持ち味のストレートを活かす術として有効活用できるようになった。

 身長は173センチと小柄ながら、体重は77キロと重厚感のある体を手に入れた右腕は、コントロールにも安定感が生まれた。左足を上げてから踏み出すまでの並進運動の際、力むのではなくスムーズな重心移動を心掛ける。春の実戦を通じてフォームを形作っていけたことが、夏に生きたのである。

 これら照沼の歩みが結実した試合こそが、聖光学院戦だったのだ。

2回に自己最速の148キロもマーク

 2回に自己最速を更新する148キロをマークしたことからもわかるように、2点を取られた4回まではストレート主体だった。その生命線を「狙われている」と察知した5回以降は変化球中心のピッチングに切り替え、聖光学院の手練れたちに的を絞らせなかった。

 春の東北をも制した打線を相手に、わずか94球で抑えられたのも、秋にはなかったマネジメント能力が備わったからでもあった。

【次ページ】 甲子園ではエースナンバーを背に…

BACK 1 2 3 4 NEXT
#照沼佑崇
#斎藤智也
#東日本国際大昌平高校
#聖光学院高校
#泉スポーツ少年団
#いわきリトルシニア
#泉中学校
#日大東北高校
#学法石川高校
#白樺学園高校

高校野球の前後の記事

ページトップ