球体とリズムBACK NUMBER
「僕らはただ楽しんだだけ」ハーランドが怪物になった背景「子供に余計な重圧はダメ」「選別もNG」ノルウェーの“アスリート育成法整備”がスゴい
text by

井川洋一Yoichi Igawa
photograph byMutsu Kawamori
posted2026/07/21 17:00
ハーランドが圧倒的な存在感を放ち、初のW杯ベスト8進出を成し遂げたノルウェー。その育成システムは非常に興味深いものがある
国全体に正義感や倫理観が根付き(FIFAの不正に真っ先に声を上げるのもノルウェー協会だ)、政府など公的機関の腐敗が少なく(トランスペアレンシー・インターナショナルの2025年版では4位、日本は18位)、幸福度でも上位(ワールド・ハピネス・リポートの2025年版では6位、日本は61位)に位置付けられるノルウェーでは、必ずしも成功が幸福への近道だと捉えられていないのだろう。酷寒の冬をじっくりと乗り越える人々は、人材の育成にも忍耐をもって取り組んでいるようだ。
またアメリカなどのように(日本もそうなりつつあるかもしれない)、子供がクラブでスポーツをするだけで、親に重い経済的負担がかかる国とは異なり(アメリカでは野球少年の親は会費や遠征費などを含めると、年間2万7000ドル(約440万円)かかる場合もあるという)、ノルウェーでは経済的な理由でスポーツを断念しなければならなくなることはない。2025年のひとりあたり名目GDPが9万4468ドル(約1500万円/世界7位)の裕福な国ではあるが、そこには平等の価値観も強く働いているようだ。
アメリカやイングランドが、ノルウェーから学ぼうとしているように、日本にもヒントになりそうなところはありそうだ。
〈W杯ハイライト写真、記事つづきは下の【関連記事】へ〉
チェックを入れてボタンを押すだけ
Number Webを見つけやすくする

