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「僕らはただ楽しんだだけ」ハーランドが怪物になった背景「子供に余計な重圧はダメ」「選別もNG」ノルウェーの“アスリート育成法整備”がスゴい 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byMutsu Kawamori

posted2026/07/21 17:00

「僕らはただ楽しんだだけ」ハーランドが怪物になった背景「子供に余計な重圧はダメ」「選別もNG」ノルウェーの“アスリート育成法整備”がスゴい<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

ハーランドが圧倒的な存在感を放ち、初のW杯ベスト8進出を成し遂げたノルウェー。その育成システムは非常に興味深いものがある

 ミラノ・コルティナで6つの金メダルを手にし、通算11個としたクロスカントリースキーの王者ヨハネス・ホスフロット・クレーボは少年時代、プロフットボーラーになりたかったという。そんな彼も10代の頃は、現在はボデ/グリムトでプレーするMFソンドレ・ブルンスタッド・フェットに、クロスカントリースキーでよく負けていたらしい。

 それからノルウェー代表の公式SNSは、MFパトリック・ベルグがバスケットボールで易々とスリーポイントショットを決めるところをアップした。また女子代表のFWアーダ・ヘーゲルベルグは2018年の女子バロンドールに輝いている。

才能があろうとなかろうと…社会的スキルが

 人口の少ないノルウェーでは、ほかの多くの国のように、選手を競争させて、ふるいにかけるようなことはしない。同国スポーツ庁のエリートスポーツのディレクターを務めるトーレ・オーヴェブロは、この記事のなかで次のように話した。

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「ほか多くの国のスポーツのシステムは、選手を育成するより、選別することに重点が置かれていると思う。でも我々は、そもそも人が少ない。だから、(エリートだけでなく)全員をケアしている。また別のスポーツを並行してやれば、異なるカルチャーに触れ、様々な人々とつきあう社会的なスキルが身につく」

 才能があろうとなかろうと、誰もが上の世代のチームに昇格することはないし、逆に見切りをつけられることもない。そして複数の競技を並行して楽しむことができる。ほかの多くの国のアカデミーシステムとは、根本的な考え方から違うのだ。

 ただし子供たちが望めば、早くからひとつのスポーツに専念することもできる。ウーデゴールは4歳の時にドランメンでフットボールと恋に落ち、ひたすらボールを蹴り続けてきた。そして15歳の時にノルウェー1部リーグの最年少得点記録と、ノルウェー代表の最年少出場記録を塗り替え、16歳でレアル・マドリーに引き抜かれている。

経済的な理由でスポーツを諦めることはない

 つまりスカンディナヴィアの彼の国では、子供たちのスポーツの向き合い方への自由が保障されているのだ。ほかの多くの国では、早熟の才能は早くからひとつのスポーツに専念させられ、それでも競争に敗れて上のカテゴリーに昇格できなければ、傷ついて早々にスパイクを脱いでしまうことが少なくない。

【次ページ】 経済的な理由でスポーツを諦めることはない

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