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“PL学園”が山口に誕生…? PL野球部OBたちが集結、強化していた「練習時間すごく短くなった」山口県鴻城に伝授された“超名門の練習内容”
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byTaisuke Nishida
posted2026/07/14 11:01
PL学園OBで、コーチとして同校野球部の黄金期を支えた清水孝悦
「清水総監督と田中先生から感じるのは、“本質”を大切にされているということ。キャッチボール、バッティング、ノック……。これはどこの学校もやっていると思うんですけど、“なんとなく”やっているところもあると思います。そうでなく、『何のためにキャッチボールをするのか』『何のために走っているのか』と理解した上で取り組む。そこを大切にされています」
田村は、ウォーミングアップの一つであるショートダッシュを例に挙げた。
「アップの100メートルダッシュ、見ていただきましたよね。あれは目標タイムを設定して走るんですけど、無茶苦茶なタイムではないんです。ちゃんと走れば、誰でもクリアできるようなタイム。なんでその設定で走るのかというと、正しいフォームで走って体幹を鍛えるため。これをギリギリのタイム設定にしてしまうと、崩れたフォームでがむしゃらに走るようになる。あえて苦しいことをやるのも大切ではあるんですが、それだと体幹を鍛える目的から外れてしまうんですね。以前はそれがわからず、選手がキツそうにしていたらいい練習になっていると認識する、指導者の自己満足の練習になっていました」
「練習時間はすごく短くなりました」
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PLは強豪の中でも全体練習が短く、その後の自主練習が意識高く行われていた……。OBの多くがそう語り、プロで活躍できた理由にも挙げられる特徴である。
練習の“本質”を理解しようと努めることで、山口県鴻城の練習時間も変化した。
「練習時間はすごく短くなりました。なぜこの練習をやるのか、と考えたときに必要のないメニューがあったので。それに、『朝から晩まで猛練習をするぞ』となると、選手たちは体力を温存しようと、練習に強弱をつけてしまう。それなら、時間や本数をしぼって、一つ一つに全力で取り組ませた方がいい。あえて量を課すこともあるんですけど、全体の時間は短くなりました」
日々選手に向き合う2人の指導ぶりは、清水も認めるところだ。
「田村監督が一生懸命なのは最初からわかっとったけど、『指導者の自分が』というところがあった。自分の指示で動かしたい。けど、それが上手くつながらない歯がゆさで悩んでいたというかね。監督はドシっとするところが必要やし、やっぱり『一番は子どもやで』と。子どもたちにいい思いをさすために、どう考えさせるかに目が向くようになりましたね。一徳は現役時代もそうやったけど、結果にこだわれる。そのために自分が嫌われ役になるのもいとわないところがある。心強いし、そこは現役時代から変わらんですね。ただ、体形が変わってピンとこらんところがあるんで、『痩せー』とは言うとりますけど……」
現在の指導体制となり、昨夏は県8強。昨秋は4強に食い込んで、46年ぶりに中国大会出場。今春も2季連続で4強入りした。本質を捉えた指導の成果は着々と表れている。
ところで、PLと言えば、半ば伝説となっている「寮生活」がある。度々OBがメディアで苛烈さを語り、その度に話題になる。では、山口県鴻城の野球部専用寮の実態は――。
〈つづく〉

