甲子園の風BACK NUMBER
“PL学園”が山口に誕生…? PL野球部OBたちが集結、強化していた「練習時間すごく短くなった」山口県鴻城に伝授された“超名門の練習内容”
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byTaisuke Nishida
posted2026/07/14 11:01
PL学園OBで、コーチとして同校野球部の黄金期を支えた清水孝悦
現在は平日の2、3日間、大阪から山口に向かい、選手たちと向き合う。当初は、自身の不在時の練習内容などを修正することも少なくなかったが、就任から2年が経ち、「あまりこっちから言う必要がなくなってきている」という。
あのPL戦士もスタッフだった…
指導方針の浸透は、“もう一人のPLを知る男”の存在を抜きには語れない。昨春から部長を務める田中一徳だ。
PL時代は俊足巧打のスイッチヒッターとして下級生時代から主力を張った。2年夏の甲子園準々決勝、横浜戦では松坂大輔から4安打を放っている。
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PLからドラフト1位でプロ入りし、引退後は高校、大学で指導経験を積み、教員免許を取得。直近では鹿児島の中高一貫校で教壇に立った。
総監督就任直前の清水が、「一徳に、どうやったら足が速くなるか聞こうと思って」電話をかけたことがきっかけとなり、ともに指導現場に立ちたいと山口にやってきた。
小柄ながら眼光鋭くグラウンドを見つめ、気の抜けたプレーや全力疾走を怠った選手にはゲキを飛ばし、右打ちでノックを放つ。田中の思いは一貫している。
「清水総監督が1週間後に見て、ダメだなと思われないように。現状維持でなく、右肩上がりにするのが自分の仕事です」
なぜPL学園は強かったのか?
甲子園通算96勝30敗。PLの圧倒的な勝率を目にすると、思わず“魔法”のような練習があるように錯覚してしまう。
だが、山口県鴻城の練習を見ていると、内容は実にシンプルだ。様々な状況を想定した投内連携をみっちりやっているのは印象的だったが、打撃練習、ノックを含め、一般的な強豪なら必ずやっているものでもある。
強さの源流はどこにあったのか。指導者としてPLの野球に触れる日々を送る田村が、この2年間で感じたものを言語化する。

