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「育成のカープ」はいずこ? 野手で目立つは育成出身選手ばかり…伸び悩む若手、7年間交換トレードなしの停滞感を打ち破るための課題
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前原淳Jun Maehara
photograph byJIJI PRESS
posted2026/07/07 11:05
7月6日時点で28勝40敗4分の5位。今季も厳しい戦いが続く新井監督
編成だけではなく、二軍の現場にも変化はある。今季前半戦、プロ野球界にあるはずの序列が、広島二軍にはなかった。高信二二軍監督は「人数が多いから、あまり(出場試合が)偏ると、全然出られなくなる、まだ前半だから」と多くの選手に出場機会を与えてきた。
記者の目には“満遍なく”起用しているように映った起用法を、倉義和二軍チーフ兼バッテリーコーチも否定しなかった。
「一軍のように全部が競争というのは難しい。育成するにしても試合に出さないと」
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二軍全体の底上げを図りながら若手の成長を促しているが、現状を見る限り、その狙いが十分に実を結んでいるとは言い難い。
3連覇前の2010年代は、二軍にも明確に序列があった。スタメンには、一軍でもスタメン起用される可能性のある中堅と、一軍には届かずとも将来性のある若手が起用されていた。二軍で代打や守備固めとして出場していた選手も、一軍で求められる役割は同じだったから昇格のチャンスがゼロだったわけではない。
当時の起用法から一軍のレギュラーとなったのが會澤翼、丸佳浩(巨人)、安部友裕、鈴木だ。二軍の試合に出ることで技術や体力、そして精神力を身につけ、3連覇の主力となった。
今季、高卒1年目の西川篤夢には肉体強化に重点を置く明確な育成プランが用意されているものの、そのほかの選手には育成の優先順位が見えない。
「育成のカープ」は復活なるか
チームの停滞感は現場だけの話ではない。コーチ人事を含め、大きな変化が少ない。選手の顔ぶれが変わる機会は、シーズン終了後の引退、戦力外、現役ドラフトくらいだ。他の11球団すべてが過去3年のうちに実施した交換トレードを、広島は19年7月を最後に行っていない。
二遊間の選手や守備力の高い捕手など、補強ポイントは多々ある。代替選手を放出しなければいけないリスクも伴うが、新たな選手を獲得するだけでなく、チーム全体に緊張感や刺激を与えるメリットもあるはずだ。補強期限が迫る中でも無風な現状が閉塞感を募らせる。
育成出身選手の奮闘は称賛に値するが、その活躍を手放しでは喜べない。本来育つべき選手が育たず、育成選手が穴を埋める現状は、かつて「育成のカープ」と呼ばれた球団が直面する構造的な課題を映し出している。その強みを取り戻せるかどうかは、今季だけでなく、広島の未来を左右する。

