Number ExBACK NUMBER

体重は渡米後に激増でも「これ以上はどうにも…」なぜ「日本人はNFLに行けないのか」問題…“兄妹は全米王者”の超アスリートに先駆者が語った「意外な理由」 

text by

北川直樹

北川直樹Naoki Kitagawa

PROFILE

photograph by本人提供

posted2026/07/07 11:02

体重は渡米後に激増でも「これ以上はどうにも…」なぜ「日本人はNFLに行けないのか」問題…“兄妹は全米王者”の超アスリートに先駆者が語った「意外な理由」<Number Web> photograph by 本人提供

現在、米NCAA1部のラマー大学でラインバッカーとして活躍する吉川大紀。夢舞台のNFLに向けて「足りないもの」とは何なのか

 2026年4月25日、ハワイ大学の松澤寛政がラスベガス・レイダースとドラフト外契約を結んだ。

 秋の開幕ロースター入りを果たせば、日本人初のNFL選手となる。吉川大紀はその一報を、素直に喜んだ。

「悔しいという思いは全くなくて。逆に、クリアです。日本人が契約したっていうのを素直に喜びました」

ADVERTISEMENT

「道が進んだ」と吉川は言う。同時に「自分もそこまで行けるように努力しなくちゃ」という思いがより一層湧いた。

「挑戦できる限りは…」NFLという夢への想い

 今年の12月にはラマー大学を卒業する見込みだ。最後の1年は、グラデュエイト・トランスファー(※学部を卒業した学生アスリートが、残っている競技の出場資格を行使するため、別の大学の大学院へ進学してプレーを続ける制度)としてより強豪の大学に転校することも視野に入れる。

 卒業後、IPP(※International Player Pathway、NFLの各チームが北米以外の選手を対象に、通常のロースターとは別に練習生として国際選手を1名追加で保有できる制度)に挑戦するか、コンバインを受けるか、海外のアメフトリーグを経由するか。シナリオは複数ある。

「挑戦できる限りは、フットボールを続けたい」と吉川は言う。

 兄の弘紀は、米国の大学でトライアスロンの全米選手権を制した後、現地で就職した。妹の早紀はNCAA1部リーグのレスリング部のあるリンデンウッド大学に入学し、活動している。早紀は10歳で渡米し、翌年にU-14全米選手権を制した実績を持つ。本人いわく「兄から刺激を受けて」米国大学レスリングに挑むと語っている。

 吉川家の3人の兄妹は、それぞれ違う競技で、それぞれ違うステージで、米国の地で挑戦し続けている。 吉川は、父に言われた言葉を胸に刻んでいるという。

「考えることは後からでもできるから、まずやる。考えるだけでは1円にもならない」

「考えて、考えて……何もしなかったら、結局何もできないから。一歩前に踏み出して何かしようと思っています」

 考えるより、まず行動する。壁の前で立ち止まらない理由を、彼はそう言葉にした。秋にはラマー大学のフィールドでの、最後のシーズンが始まる。サラブレッドは、松澤に次ぐ新たな道を切り開くことはできるだろうか?

#1から読む
母はビーチバレーの日本女王、兄はトライアスロン全米王者…妹もレスリングで全米制覇!? 超サラブレッドが「まさかの競技」でプロ挑戦を目指すワケ
この連載の一覧を見る(#1〜3)

関連記事

チェックを入れてボタンを押すだけ
Google検索
Number Webを見つけやすくする
BACK 1 2 3 4
#吉川大紀
#ラマー大学
#早稲田大学
#佼成学園高校
#松澤寛政
#ラスベガス・レイダース
#ハワイ大学

他競技の前後の記事

ページトップ