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体重は渡米後に激増でも「これ以上はどうにも…」なぜ「日本人はNFLに行けないのか」問題…“兄妹は全米王者”の超アスリートに先駆者が語った「意外な理由」
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北川直樹Naoki Kitagawa
photograph by本人提供
posted2026/07/07 11:02
現在、米NCAA1部のラマー大学でラインバッカーとして活躍する吉川大紀。夢舞台のNFLに向けて「足りないもの」とは何なのか
河口さんは、NFLヨーロッパでプレーし、サンフランシスコ49ersのトレーニングキャンプに参加した経歴を持つ。
日本人として米国プロフットボールの内側を見た数少ない一人で、現役引退後はトレーナーとして独立。米国大学リーグやXリーグで戦う選手たちの身体操作を指導してきた。現在は立命館大学でも、そのメソッドをフットボールのプレーに落とし込む指導をしている。
「今までは少しずつ成長を感じていたんですけど、大学3年目の春になって、それがちょっと緩やかになって。頭打ちというか、伸びないなというか……。どうしたらいいか分からないと」
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筋力もスピードも、アサイメント(※戦術上の役割)を守ることもできてきた。それなのに、なぜかタックルした後、相手を押し切れずに自分の動きが止まってしまう。当たり負ける時に、踏ん張りが利かない。ギャップに入る一歩のスピード。1軍とそうでない選手の差は、そういう細部に出た。
「絶対に無理というわけじゃないんですけど……伸びる幅が、成長曲線が見えなくて」
1軍まではあと一歩。だがその一歩が、いまの自分の延長線上には見えない。本人はそれを「成長曲線が見えない」と言った。
その「壁」の正体について、河口さんは明確な見立てを持っていた。吉川が一時帰国してジムを訪ねた初日、河口さんは、本人がプレー映像を見せる前から、吉川の身体の使い方について自分の見立てを伝えた。
筋力ではない「本場の選手との差」とは?
河口さんの見立ては、技術や筋力の問題ではなく、身体のどの部分を起点に動いているかという、もっと根本的な癖の問題だった。米国のトップ選手たちが当たる時の身体の使い方と、吉川のそれは違う。違いの正体は河口さんの中では明快だった。コンタクトスポーツである以上、この身体の使い方では行ける場所に限界がある。
「この延長線上に、ラマー大学の中でスーパーな選手になるのは考えにくい」
はっきりとそう伝えたという。突き放すような言葉だ。だが、本人がすでに頭打ちを自覚していたから、その言葉は素直に届いた。
「身体を鍛え上げて米国の選手と戦おうとして、筋力はついたけど動きの根本が変わらない。吉川選手が通ってきたのは、僕自身が通ってきた道なんですよ」
河口さんは、吉川がいま立っている場所を、自分の通ってきた道のひとつ手前として見ていた。自身も現役時代に鍛え抜いた筋力でNFLヨーロッパに渡り、3年で頭打ちを経験し、NFLの49ersのキャンプに招待されながら「ここまでかな」と限界を感じた経験もあるという。吉川の頭打ちは、河口さんにとっても他人事ではなかったのだ。

