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「シオガイを18億円で売却できるとは」敏腕オランダ人TDが明かす日本代表FW“19歳で獲得”ウラ話…W杯選出直後には「信頼してくれてありがとう、と」 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byKiichi Matsumoto,Takuya Sugiyama

posted2026/06/19 17:00

「シオガイを18億円で売却できるとは」敏腕オランダ人TDが明かす日本代表FW“19歳で獲得”ウラ話…W杯選出直後には「信頼してくれてありがとう、と」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto,Takuya Sugiyama

オランダ戦でW杯デビューを果たした塩貝健人。敏腕オランダ人スカウトが移籍の裏話を語ってくれた

 NECのような若手を高く売ることを目指す「育成型クラブ」は、契約書に違約金を設定しないのが一般的だ(法律で違約金設定が定められているスペインやポルトガルは除く)。違約金が設定されていると、その金額を満たすオファーを受けたときに断ることができないからだ。どんなに拒否しても、お金の力で強奪されてしまう。

 だが、移籍における諸条件は、常にクラブと選手のパワーバランスで決まる。選手側が優位なら、クラブは譲歩せざるをえない。

 塩貝側には交渉で優位な点があった。それは獲得コストの安さだ。

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 大学サッカー部の選手はアマチュアのため移籍金はかからず、育成年代で属したチームに育成補償費を払うだけでいい。塩貝の例でいえば、横浜FCジュニアユース、国学院久我山高校、慶応大学への支払いで、FIFAが定めるルールによってリーグレベルに応じて金額が決まる。オランダリーグなら数千万円程度だ。

 実力に対してお買い得なため、実際にNECより規模が大きいクラブが名乗りをあげようとしていた。

 こういう背景があったために、NECは選手の代理人がいう「違約金を設定させてほしい」という要求をのまざるをえなかったのである。

後悔してませんよ、1000万ユーロが入ったのだから

「代理人はNECより大きなクラブにケントを連れていき、より高いコミッションを前払いで得ることもできました。なので、代理人側が違約金設定を求めるのは自然な流れでした。約1000万ユーロという違約金は当時のNECのクラブ史における最高額で、その金額に抵抗はありませんでした。払うクラブはそう簡単に現れないと考えたのです。まあ、結果的にケントが想像を超える成長を見せ、私の予測を覆すことになるんですが」

 2026年1月、ボルフスブルクはまず600万ユーロ程度(約11億円)のオファーを出した。NECはクラブ史上初のCL出場権を得るため塩貝を必要と考え、このオファーを突っぱねた。

 するとボルフスブルクは違約金満額となる1000万ユーロを用意して再オファー。NECは拒否することができず、塩貝のドイツ移籍が決まった。

「まったく後悔していませんよ。クラブにおよそ1000万ユーロもの資金が入ったのですから。そしてクラブとしても最終的に3位になり、CL出場権を得ることができました(注:予選3回戦からの出場)」

ケントがメッセージを…胸が熱くなりました

 このシンデレラストーリーには後日談がある。

 塩貝が日本代表の北中米W杯メンバーに選ばれた日、カルロスのもとに一通のメッセージが届いた。

【次ページ】 ケントがメッセージを…胸が熱くなりました

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