魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER
「4人だけ…あまりに寂しい」“大相撲7人休場”協会挨拶で異常事態、元大関・魁皇が本音で語る…それでも熱視線「面白い小兵力士が出てきた」
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浅香山博之Hiroyuki Asakayama
photograph byJIJI PRESS
posted2026/06/04 17:02
5月夏場所、優勝決定戦で霧島を押し出し、優勝を決めた若隆景
相撲勘がいいのかなぁ。ただ、勝つ時は当たって前に出る相撲で目を見張るほどに強いんだけど、逆にあっさり負けてしまうようなもろさもあるんです。それが無くなれば、これからずっと上位で活躍してくれるでしょう。
同じく敢闘賞を受賞した西前頭10枚目の伯乃富士ですが、気鋭の藤青雲戦の千秋楽、立ち合いに変化しました。できれば真っ向勝負をしてほしかったと思いますが、逆に言えば、大事な場面で思い切ったことができるという”神経の図太さ”がある。相撲としては褒められなくとも、彼もまた面白い存在ですよ。
上位陣がいなくとも、14日目終了時点で6人が優勝圏内にいるという大混戦にもなり、結果的には優勝争いが面白くなりました。そのうちのひとりが幕内2場所目の藤凌駕。10勝に終わりましたが、基本は突き押し相撲で、好調の義ノ富士に勝ったり、優勝争いに絡んだという経験は、今後に生きていくと思います。今場所は自信になったんじゃないかな。
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琴勝峰、琴栄峰の兄弟力士も良かったし、若手の活躍が目立った場所でした。その代表がなんといっても小兵の藤ノ川ですよね。負け越したとはいえ、キップのいい見ごたえある相撲を取ります。ただ、危ない相撲が何番かあり、ケガが心配でもあるなぁ。ケガだけは気を付けてほしいものですね。
「審判はしんどいんです(笑)」
昨今は若手力士の攻防のある、気迫のある元気な相撲が増えている印象で、審判の親方衆は大変です。今場所から藤島親方(元大関武双山)、私と尾上親方(元小結濱ノ島)の3人体制で、審判部長を務めています。私は過去に1年ほど審判の経験があったけれど、この15日間はしんどかった……。審判泣かせのいい相撲が多いんですよ。お客様が沸く相撲ほど、審判の親方はしんどいんです(笑)。
若手の台頭は喜ばしいことですが、一方、41歳のベテラン力士として人気の玉鷲が、今場所は2勝13敗と大敗してしまいました。脚をケガしているようでしたが、それを言い訳にせずに最後まで取り切った。踏ん張れなくて力なく押し出される場面もあったけれど、まだまだ気迫で負けていないんですよ。頭からぶちかまして前に出よう、気持ちだけでも前に出ようという姿勢が見えるんです。相撲は、最後は”気持ち”なんですね。悪いところを治して、立て直してまた幕内の土俵に戻って来てほしいです。まだまだ気迫のこもった相撲を取れる力士だと思っていますから。
来場所は、成績次第で霧島に綱取りの声も掛かり、若隆景の大関取りも見どころです。上位陣も戻って来てくれるでしょうし、若手たちがそこにどう挑んでいくかが本当に楽しみです。審判の私たちも、体調を整えて頑張りますよ(笑)。
(構成=佐藤祥子)

