猛牛のささやきBACK NUMBER
「無名の23歳が全球ストレートで大谷翔平斬り」衝撃ピッチを見せたオリックス右腕の“それから”「ビビってて務まるところじゃない」寺西成騎の存在感
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJIJI PRESS
posted2026/06/03 11:18
プロ2年目の寺西。中継ぎの一角として存在感を示している
その日先発した寺西は、2イニングを投げて6人を完璧に抑え、日本中をざわつかせた。圧巻だったのは、日本代表の2番・大谷翔平に対して、全球ストレート勝負を挑んだ場面だ。
ストレートのサインを出し続けた捕手の森友哉はこう語っていた。
「決めていましたね。大谷さんの時は、まっすぐで行こうって。寺西は去年の後半、先発から中継ぎに変わって、だいぶ強いまっすぐを投げられるようになっていたので。変化球は器用に投げるピッチャーなんで、あとはまっすぐに自信をつけさせるというか、どれだけ通用するのかを見たかったんです」
「怖かった」それでも大谷に立ち向かって…
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自信をつけさせるのにこれ以上の相手はいない。なおかつ森は高めのゾーンに構え続けた。
「寺西もファールを取りたいと言ってたんで。ベルトからちょっと高めぐらいに強い球を投げれば、ファール取れるなって」
まさに2人が思い描いた通りにことが運んだ。1、2球目は力のこもった高めの153kmでファールを取り、いきなり追い込む。3球目の153kmは森の頭の上に抜け、4球目の151kmも外角高めに外れ、2-2に。
寺西は帽子のつばに手をかけて一呼吸置き、リセットする。5球目、インコース高めの浮き上がるような152kmに、大谷はスイングをかけるが、再びファール。そして6球目、同じくインコース高めの151kmでつまらせ、レフトフライに打ち取った。
「雰囲気はありました。怖かったです」
大谷を打席に迎えた時の心境を、後日、寺西は飄々と振り返った。
「でも立ち向かっていきました。森さんの配球が全部まっすぐだったので、森さんも『力で来い!』って言ってるんじゃないかなと、自分で感じ取って、思いきり投げました。初回ということで体も元気でしたし、腕を振れていたんで、勝負できたかなと思います」


