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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「若い世代との付き合い方でアドバイスは?」“代表選手とは35歳差も…”日本代表・森保一監督(57歳)が答えた「これはやらない」1つのポイント
text by

木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/05/31 11:01
森保一監督(57歳)、写真はアイスランド戦前日会見で
森保にとって収穫になったのは、本場の技術の高さと同年代のハングリー精神に触れられたことだった。『ぽいち 森保一自伝』でこう総括している。
「トップチームの練習にも2度ほど参加させてもらったのだが、練習のアップで行うダイレクトなボール回しの際、ボールスピードに全くついていけなくて、ミスを連発。基本技術の差を痛感させられたりもした。とにかく、プロのサッカー選手とはどんなものかを目の当たりにした1カ月だったのである。
また、別な意味で刺激になったのは、ユース世代の選手たちであった。彼らのプロになりたいという強い気持ち、ハングリーさには強く心を揺さぶられた」
森保監督、なぜ“マンU経験”を語らない?
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この留学には後日談がある。帰国後、今西がみんなの前で報告会をさせたところ、スピーチが苦手だったはずの森保が20分間もマンチェスターでの経験を話し続けたのである。サッカーノートや話し方講習などの人間教育によって、着実に言語化能力も伸びていた。この20分間スピーチはマツダの選手たちを驚かせたという。
興味深いのは、森保は監督になってからこの留学経験を一切自慢していないことだ。三笘薫が2023年10月にブライトンとの契約を延長した際、そのすごさを説明するために「私はマンチェスター・ユナイテッドに留学しましたけど、現実的にそこへ移籍するようなことはないなと思っていました」と語ったくらいである。
なぜ森保は昔の経験を自慢しないのだろうか?
テレビ静岡制作の特番『森保一と世界一へ』(2023年12月放送)に出演した際、タレントの加藤浩次に「若い世代との向き合い方のアドバイスはありますか?」と質問されるとこう答えた。
「自分の経験を押し付けない、経験論で語らない、ということですね。ときに必要な場面で『自分はこうやっていた』という比較対象にしたり、『こっちがいいんじゃないか』というときに使ったりすることはありますけど、ほぼ経験論を語ることはありません。
何より今預かっている選手が、私より経験値が上なので。ヨーロッパでプレーすると生活を含めて大きな経験値になる。彼らから学びながら、でも同時に『チームとしてはこうしてほしい』と伝えるのが私の役目です」
サッカーにおいて、正解は時々刻々と変わるものだ。前半の正解が、後半は不正解になりうる。自由自在に変わる柔軟さを大事にしているからこそ、自分の成功経験を押し付けてはいけないと考えているのだろう。
5月28日発売の書籍『逆転監督 森保一』(著:木崎伸也)。2年半以上の徹底取材と複数回の本人インタビューから、森保監督の“したたかな勝負師”としての顔に迫った一冊


