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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
“侍ジャパン辞退”から3カ月…松井裕樹(パドレス)の現在地「左内転筋負傷の内実」「怪我と隣り合わせだった“親指トレーニング”の成果」
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byYuki Yamada
posted2026/05/23 11:03
メジャー3年目、松井裕樹の現在地とは
勝利パターンでの起用はない。点差のあるリードした状況、あるいはビハインド。それが、当面の役割だ。遅れたメジャー合流も、手応えはある。WBCを辞退し、開幕から1カ月以上の離脱を強いられた左内転筋の負傷。それこそが、進化の証だった。
怪我と好調は隣り合わせだった。松井は左足の親指が外反母趾で人差し指側に折れる癖があった。左投手にとって、投げ出す際に軸となる足だが、投手プレートから地面を蹴り出す瞬間に力が分散してしまっていた。松井は、この左足親指を鍛える『親指トレーニング』を導入。その成果が、左足の親指で地面をつかみ、スパイクを通して土を噛む感覚を養ったことだった。
「防御率4.97」それでも“問題ない”理由
軸足で長くタメを作り、打者方向へ力を伝える動きを習得した。一方で左内転筋には大きな負荷がかかっていた。キャンプ初の実戦投球で93マイル(約150km)をマーク。2月19日のライブBPの前日には、その左足親指の感覚にいい感触を掴んでいた。左足に溜めたパワーを感じながら、打者に向かって体重移動する。左足が投手プレートに残りながら、体の回転とリリースで一気にパワーを発揮し、指先のリリースに伝える。左足に長い時間乗せたパワーをボールに伝えることができた。
左内転筋の負傷、WBC辞退、長いマイナー調整。開幕に間に合わなかった悔しさはある。それでも松井は、急がず、戻るための手順を踏んだ。だが、マイナーでの防御率4.97に不安は残る。果たして、マイナーリーガー相手にほぼ5点台の防御率の左腕は、メジャーで通用するのか。それでも問題ない、と言い切れる特別な理由がある。〈つづく〉

