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「ロコだけが盛り上がって…葛藤はありました」“国民的人気”のウラで吉田知那美は悩んでいた…退団後の今明かす、ロコ・ソラーレでの“最後の1年”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShiro Miyake、AFLO
posted2026/05/22 11:03
ロコ・ソラーレ退団、新リーグ参戦、カーリング以外の未来――。吉田知那美34歳が明かした【インタビュー第2回】
それも乗り越えてきた。
「やっぱり受け入れるしかなくて、私一人の行動で何かできることでもないけれども、ロコ・ソラーレが盛り上がるということによって日本のカーリングが盛り上がっていくというのは間違いなく事実でもあったので、盛り上げられるところは盛り上げる。他の日本のチームや他の国の選手に関する情報であったり、許されている中で発信しようと意識もしていました」
吉田が成し遂げた“日本人20年ぶり”の快挙
ロコ・ソラーレでの最後の大会となった世界選手権期間中の3月22日、吉田はある賞を受賞した。フランシス・ブロディ賞だ。「競技における行動と振る舞いを通して、技術、誠実さ、フェアプレー、友情、スポーツマンシップなどカーリングの伝統的な価値観を最も体現した選手」に贈られるもので、日本の選手では20年ぶりの受賞であった。
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この賞は世界選手権に参加した各国の選手たちの投票で選出される。吉田が選ばれたのは、フェアに、真摯に進んできたこれまでの歩みへの、世界の仲間からの称賛にほかならず、必然と言えたかもしれない。
ロコ・ソラーレ退団を考えたときには、引退も考えた。ただ、引退することはなかった。新たな道を見出したからだ。《つづく》

