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「ロコだけが盛り上がって…葛藤はありました」“国民的人気”のウラで吉田知那美は悩んでいた…退団後の今明かす、ロコ・ソラーレでの“最後の1年”

posted2026/05/22 11:03

 
「ロコだけが盛り上がって…葛藤はありました」“国民的人気”のウラで吉田知那美は悩んでいた…退団後の今明かす、ロコ・ソラーレでの“最後の1年”<Number Web> photograph by Shiro Miyake、AFLO

ロコ・ソラーレ退団、新リーグ参戦、カーリング以外の未来――。吉田知那美34歳が明かした【インタビュー第2回】

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Shiro Miyake、AFLO

日本のカーリング界を牽引し続けてきた「ロコ・ソラーレ」からの退団を発表した吉田知那美(34歳)。決断の理由や五輪への思い、これからについて聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の2回目/第3回に続く

◆◆◆

 コーチ、J・D・リンドに退団の意向を打ち明けた翌年、吉田知那美は、ロコ・ソラーレのチームメイトに思いを伝えた。

「2025年の5月頃です。チーム全体のミーティングで、『ミラノ・コルティナのサイクルが終わったら退団しようと思う』と話しました」

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 その言葉を、チームのメンバーは落ち着いて受け止めたという。

「私たちは常々、アスリート人生が絶対いつか終わるというのは、別に悲壮感があるような話じゃなく、当たり前の事実として話はしていました。それが自然の節理だと受け止めて理解するのには十分すぎるぐらい競技をやらせてもらっていて、それを理解するだけの人生の器も育っていました」

チームで話し合った「いっぱい思い出作ろう」

 チームには妹の夕梨花もいる。

「チームに伝える1カ月ぐらい前かな、ゆり(夕梨花)には話しました。帰国して実家に帰り、一緒にお仏壇で手を合わせているタイミングで、『私はこのオリンピックサイクルで抜ける』と伝えました。ゆりは『いいと思う』。言葉は少ないんですけど、いつもたくさんのことを考えて、たくさんの気持ちを抱えているゆりがそう言ってくれたのもすごくうれしかった。『(チームの中で)いちばん最初に決断しただけであって、必ずチームは循環するものであるし、循環していかなければ不健康な組織だと思っているので、みんないつかは終わるしね』って」

 吉田の話を受け止めて、チームは次を見定めた。

「すぐに『よし頑張るぞ』となって、それと同時に(鈴木)夕湖ちゃんが『いっぱい思い出作ろう』って言ってくれて、『そうだね』となりました。オリンピックに行きたい、金メダルを獲りたいというのはアスリートにとって当たり前の目標で、その上で1シーズンどう戦うかを考え、より大きく成長することと、よりたくさんの思い出を作ることにフォーカスして過ごした1年でした」

【次ページ】 目標のミラノ五輪には届かなかった

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