濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「腹が立ちました。でも自分が未熟だった」元アイドルの若手レスラーが“SNSの動画拡散”に本音「肩、太ももがサイズアップ」橘渚が語るプロレス最優先の覚悟
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2026/05/11 11:03
マリーゴールドで活躍する女子プロレスラーの橘渚
技の数も勝ち星も増えている現在
昨年7月には道場がオープンした。それまでは他団体のリングを借りて練習していたのだが、自前の道場があればリングでの練習時間が飛躍的に増える。道場開設と同時に、実力者として知られるレスラー、近藤修司が専属コーチに就任したのも大きかった。
「近藤さんは基本重視で、たとえばヘッドロック一つにしても技の理屈から教えてくれるんです」
形だけでなく理屈という“背骨”が通っているから、攻防にも説得力が生まれる。橘自身、自分の試合映像を見て内容が変わったと実感できたそうだ。基本を見直すとともに技の数も勝ち星も増えていった。
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山岡聖怜に続いて南小桃がトップ選手に食らいつく健闘を見せるようになり、さらに橘たちが追いかける。今や若手戦線はマリーゴールドの興行における大きな“見もの”だと言っていい。SNSでの情報収集だけでなく会場や配信で観戦しているファンなら、よく知っているはずだ。マリーゴールドは大都市以外への地方遠征も多く、“一見さん”にも伝わる試合を心がけることで鍛えられるという面もあるようだ。
肩、腕、太ももがサイズアップ…プロレス最優先に
今年に入り、メンバーが事務所を退所したことからアイドルユニットは解散。プロレス最優先の姿勢がさらに強まった。最近は攻防そのものだけでなく表情なども含めて「プロレスラーらしくなった」とよく言われるそうだ。肩や腕周り、太ももがサイズアップしたため「持ってる服がどんどん着られなくなっていくんです」と笑う。咲村、勇気とは“グラビア三銃士”と呼ばれていたが、2人は退団。だからこそ自分が頑張るしかないという思いも強い。
プロレスの楽しさが掴めてきたから欲も出る。橘の目標の一つは、海外でたくさん試合をすることだという。
「団体ができてすぐの両国(国技館)大会にWWEのイヨ・スカイ選手が出ているのを見て、憧れるようになりました。本物のスターというか、存在が圧倒的で。私も海外でどんどん試合がしたいなって。英語は全然できないですけど(笑)」
若手たちがレベルアップすることで、ライバル争いも激しくなる。デビュー時期が近い選手が多いからなおさらだ。
「若手の中では負けたくないですし、上の人たちともどんどん闘いたいです。(岩谷)麻優さんとのシングルマッチが組まれたのは嬉しかった。試合は麻優さんのケガでなくなってしまったんですけど“治ったら絶対闘ってください”ってお願いしました」



