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日本人初のUFC王者へ…平良達郎26歳「井上尚弥選手の集中力に圧倒された」“総合格闘家”が大橋ジムに通いつめた理由「ボクシングの成長を見せられる」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2026/05/09 17:00

日本人初のUFC王者へ…平良達郎26歳「井上尚弥選手の集中力に圧倒された」“総合格闘家”が大橋ジムに通いつめた理由「ボクシングの成長を見せられる」<Number Web> photograph by Getty Images

『UFC 328』でフライ級タイトルマッチに挑む平良達郎(26歳)。日本人初の頂は目前に迫っている

MMAで求められる「ボクシングのうまさ」とは?

 知っての通り、アメリカはボクシング大国で、今も昔もビッグマッチの大半は同国で開催されている。王者ヴァンはミャンマー出身ながら、12歳のとき両親とともに軍事政権下の母国を脱出しアメリカに渡った。

 当初は英語が全く喋れなかったのでイジメの対象となったが、ストリートファイトに熱中することで憂さを晴らした。その後MMAと出会い更生し、練習に没頭して24歳でUFCの頂を極めた。ヴァンの本場仕込みのボクシングテクニックには定評がある。

 実際ヴァンの試合を見てみると構えが非常に堅固で、ちょっとやそっとでは崩れない。右のガードは高く、前手の左の掌で相手のジャブを受けつつ、タイミングを見計らって右ストレートを打ち込む戦法が必勝パターンだ。

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 見るからにパンチは硬そうなだけに、平良もヴァンの戦力の中でボクシングの部分を最も警戒している。

「ジョシュア・ヴァン選手はボクシングのスキルだったり、前に出るプレッシャー、タフネスといった部分が強みだなと思っています。そういったことを想定して長くシミュレーションをしています」

 しかし、パンチだけで勝負するボクシングとは異なり、MMAには蹴りもあれば、グラップリングもグラウンドもある。一口にボクシングといっても、ピュアなそれとMMAにおけるそれは似ているようで大きく違う。平良は「やっぱりMMAの方が距離は長い」と肌で感じている。

「だから単にジャブを打てば当たるというわけでもない。そこがMMAの打撃の難しいところで、本当に違うなって思います。もちろん僕がボクシングを見て、見えていない技術はたくさんあると思うけど、ボクシングだけの難しさとMMAの打撃の難しさはやっぱり違うなと思いますね。ちょっと言語化はできないけど」

 ピュアなボクシングと比べると、MMAの方が攻撃の選択肢は圧倒的に多いことも、もちろん認識している。それでもなお、現代MMAにボクシングのスキルは必須である。日本最高峰の環境ともいえる大橋ジムへの出稽古も、その強化を意図したものだろう。

「MMAだとグローブもオープンフィンガーで小さかったりするので、MMAの舞台でボクシングの技術を100%出せるかといったら、またそれは違う話になってくる。ただ、ボクシングがうまい選手は間違いなくMMAでもそのスキルが生きると感じています」

【次ページ】 事前のオッズは「平良有利」…日本人初の偉業なるか

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