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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「あの声援をもらえたことが答え」初の開幕2軍から再起、梅野隆太郎34歳を支えた“阪神ファンの声”「練習2時間前から早朝打ち込み」若手選手が目撃した愚直さ
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph bySankei Shimbun
posted2026/05/11 17:02
自身初の開幕2軍から、1軍昇格を果たした阪神・梅野隆太郎(34歳)の今
「たとえ世間でどう言われていても、本当は温かく応援し続けてくれている人たちが大半なのだと分かっているつもりです。だから、やっぱりファンの皆さんと向き合って、目の前で喜ぶ顔を見られるのは嬉しいんです。なんと言われようと自分の野球人生ですし、野球人として人として、現役を終えるまでファンの皆さんと触れ合うことは続けていきたいと思っています」
練習2時間前に球場入り…若手が目撃した姿
人気プレーヤーの1人として長年タイガースを背負ってきた男には、這い上がる姿を目に焼きつけてもらいたい人たちが数えきれないほどにいるのである。
だからだろうか。梅野は2軍生活が続いていた今春も、くじけることなく体をいじめ抜いていた。大半の若手選手がまだ動き始めていない時間帯から室内練習場でアップを開始していた。
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デーゲームの2軍戦が尼崎で開催される日は6時45分頃に球場入り。全体練習開始時間の午前9時よりも2時間前の7時にはストレッチを開始して、そのまま打ち込みに入る。そんなルーティンを目撃していた数少ない証言者の1人が、高卒入団3年目を迎えた20歳の内野手・山田脩也である。かつて仙台育英高で2年夏に甲子園優勝、3年夏は同準優勝を経験した若者もまた朝練の常連なのだ。
山田は一回り以上も年上にあたる梅野が朝イチから練習場に現れたとき、自然と気分が高揚したのだという。
「やっぱりな、さすがだなと感じました。ファームにいたときの熊谷敬宥さんもそうでしたけど、1軍でずっと活躍されている先輩方はやっぱり、見えないところでも練習をされているのだな、と。梅野さんには前日の試合でのプレーについてアドバイスをいただいたこともありました」
梅野が1軍昇格の道を切り開くまで
そんな姿勢の根底にあった感情を梅野本人に問うと、福岡県生まれの男は照れくさそうに真相をはぐらかした。
「僕の年齢や立場で、9時練習開始でギリギリの8時50分にグラウンドに現れていたらカッコ悪いし、しょうもないでしょ。自分、中身は九州男児ですから」
陰の努力をあまり大っぴらにしたくないのか、最後は冗談めかして話を逸らしたが、もちろん本音は別にあるはずだ。
直近3年間のシーズン打率は1割9分4厘、2割9厘、2割2分と低空で推移している。バットでもアピールしなければ道が開けないと、心身に鞭を打っていたのだろう。
