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井上尚弥と中谷潤人「勝負を分ける要素が2つある」米老舗ボクシング誌編集長が断言…5.2東京ドーム直前“最終予想”「ナカタニにも見せ場はあるだろう」
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2026/04/30 11:01
順調な仕上がりを見せる井上尚弥。中谷潤人との一戦に向けて自信をのぞかせる
中谷がクロフォードの名前を出したことは新鮮だったが、もっとも井上陣営は「中谷はクロフォードではない」(大橋秀行会長)と一刀両断している。上記した井上と真吾トレーナーのやりとり同様、試合直前にメディアの前で話すことのすべてが真実ではなく、陽動作戦であることを理解した上で、フィッシャー編集長はこう見解を述べた。
「クロフォードは卓越した才能に裏打ちされた独自のスタイルを持っている。同じことはモハメド・アリ、パーネル・ウィテカー、ロイ・ジョーンズJr.、フロイド・メイウェザーJr.にも言えるだろう。だから、真似しようとするのは間違いだ。(井上との)戦い方という面では参考にならないのではないか。ただ、クロフォードの大胆な挑戦する姿勢を見習うのは問題ない」
中谷の強打は最後まで侮れない
序盤から中谷が積極的に出た場合、試合は盛り上がるが、スピードとカンの良さに秀でた井上にカウンターを合わされる危険性が否定できない。中谷が距離を取った戦い方に活路を見出すのは理論上、理解できる。ただし、井上は“カネロ”よりも多才なボクサーであり、スピードでも中谷を上回っているのが何よりも大きな違い。後手に回れば早々と主導権を握られてしまう可能性もあり、フィッシャー編集長の言葉通り、リスクが大きいように思える。
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中谷が昨年6月の西田凌佑戦のように序盤から思い切って出てくるのか、あるいは身長とリーチのアドバンテージを生かして距離を取ろうとするか。このミステリーこそが開始前の時点で最も読みづらい要素であり、逆に何よりも楽しみな部分と言えるのだろう。
筆者は井上がスピード重視のアウトボクシングで前半をスタートし、中盤以降に仕掛けてくると見ている。中谷もある程度距離を取りつつ、井上が前がかりになったときに左カウンターを打ち込むのが勝利パターンと見ている。クロフォード対カネロよりもエキサイティングな内容になり、後半には何らかのヤマが来るのではないか。やはりコンビネーションがよりコンパクトな井上が優位だが、かつて最終ラウンドに豪快KOを生み出した経験がある中谷の強打は最後まで侮れないと考えている。
それでは最後に、フィッシャー編集長の“最終予想”も記しておきたい。


