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井岡一翔が本音で語る“井上尚弥”「彼の方がすごいことを…競える立場にいない」名王者たちが尊敬する“レジェンド”の哲学「ただ、自分を証明したい」
posted2026/04/29 11:11
インタビューに応じる井岡一翔(37歳)。5階級制覇に向けてモチベーションは高まっている
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Takashi Shimizu
井岡一翔がイメージする井上拓真との戦い
──いよいよ拓真選手への挑戦が近づいてきました。日本が世界に誇る技巧派同士の一戦です。井岡選手も記者会見では「ミスできない」「選択を間違えない」というコメントをしていました。どのようなところが勝負のポイントになると考えていますか。
井岡一翔(以下、井岡) お互いですけど、自分の動きで自分のリズムが崩れるのは避けたい。拓真選手も崩れるのが嫌なタイプの選手だと思います。たとえば自分からパンチを出して空振りしたことによって「見切られてるな」と思ってしまう。自分の動きで自分にマイナスを呼び込むというか、自分で悪循環を生むような感覚にはなりたくないと思っています。
──負けた試合はそういう「悪循環」に陥るのでしょうか。
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井岡 (連敗したフェルナンド・)マルティネス選手の場合は「10と0」と言えばいいのか、攻防が完全に分離しているので難しかった。攻めてくるときに駆け引きがない。守るときは徹底してただ守るだけ。攻防が分かれすぎていて崩すのが難しかったです。
──拓真選手は駆け引きができる選手ですね。
井岡 拓真選手は駆け引き重視のボクシングに見えます。ハマればすごくハマるんじゃないかって思うんですけど、そこで自分が「あ、今の選択ミスしたな」とか、「今のパンチ、ちょっともらったかな」とか、自分で自分を追い込むような感覚になるのは避けたい。淡々とできればいいと思います。
──より細かい部分に気を遣うことになりそうです。
井岡 アクション、リアクション、アクション、リアクションの展開をうまく作れればいいんですけど、アクションを起こしてもリアクションがないとか、常にそういう精神的な部分との戦いがあると思います。だれとやっても大きなパンチって最初からなかなか当たりませんけど、拓真選手の場合は特に当たりづらいと思う。細かいところからの組み立てが勝負かなとも思います。

