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1番人気ロブチェン松山弘平の“奇襲”に中山騒然…皐月賞の核心「“行った行った”でも、なぜ名勝負になったのか?」惜敗した津村明秀の“ある証言”
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島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2026/04/20 17:20
4コーナーでロブチェンに並びかけるリアライズシリウス。皐月賞は松山弘平と津村明秀、両騎手の思惑が交錯した名勝負となった
津村明秀の証言「いったんは出たのですが…」
スタンド前を通過しながら、外から津村明秀のリアライズシリウスが仕掛け気味に上がってきて、差のない2番手で1、2コーナーを回って行く。
「ロブチェンが行くのは想定外でしたが、強い馬を見ながら運べました」
という津村の言葉から、ロブチェンの「奇襲」への驚きと、意表をつかれながらも最善の対応をした自負の両方が感じられた。
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向正面入口で、逃げるロブチェンと2番手のリアライズシリウスの差は1馬身あるかないかだった。
1000m通過は58秒9。数字だけ見るとハイペースだが、松山の感じ方は違っていた。
「道中のペースはそんなに速いとは感じていませんでした。レコードが出たので実際は速かったのでしょうが、急かしたわけではなかった。そのくらいいいフットワークで伸び伸びと走れたのだと思います」
3、4コーナー中間の勝負所でリアライズシリウスが外からロブチェンに並びかけた。4コーナーのラスト400m地点ではわずかにリアライズシリウスが出ていた。津村は言う。
「負かしに行く競馬をして、いったんは出たのですが……」
逃げた馬が「上がり34.2秒」驚異のレコード決着
内のロブチェンと外のリアライズシリウスがビッシリ馬体を併せたまま直線に向いた。松山は豪快なアクションで追った。
「一度2着馬に少し出られそうになったんですけど、しぶとさもあるので、最後まで諦めず、何とかしのいでくれという気持ちで乗っていました」
ラスト200m地点で内のロブチェンが首ほど前に出た。
2頭の激しい叩き合いがつづく。
坂を上り切ったところでロブチェンが半馬身ほどにリードをひろげた。
そのまま抜かせることなく、ロブチェンがリアライズシリウスに4分の3馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。
勝ちタイムの1分56秒5はコースレコード。
ハイペースで逃げた馬が、ラスト3ハロンを34秒2でまとめ、レコードで逃げ切ったのだから、後ろの馬はたまらない。レース後、右後ろ脚を落鉄していたことが判明。どの程度パフォーマンスに影響していたかはわからないが、マイナスだったことは確かだ。


