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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「実は侍ジャパンの“隠し球”だった」井端弘和監督がサプライズ選出を目指していたMAX161km右腕とは何者か?「日本人の母を持つ無名の21歳で…」
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byYuki Yamada
posted2026/04/11 11:01
井端監督がサプライズ選出を目指していた「幻の侍ジャパンメンバー」バルザーとは何者なのか?
バルザーは米国人の父と日本人の母を持ち、神奈川県横須賀市で生まれた。日本で幼少期を過ごし、常総学院高時代はストレートが最速150km超をマークするなどして、早くからプロの注目を集めた。しかし、右肘痛の影響で実戦マウンドの経験はほとんどなし。高校3年時の2022年にプロ志望届を提出したが、その年の日本プロ野球(NPB)ドラフトで指名されることはなかった。
「本当に楽しみ」ダルビッシュも注目
翌23年1月、バルザーはパドレスとマイナー契約を結んだ。契約金はわずか1万ドル(当時の為替レートで約130万円)だった。入団前にトミー・ジョン手術を受けており、しばらくはリハビリが続いたが、2025年から本格的に実戦復帰。マイナーの公式戦で登板して経験を積んできた。
その才能は、ダルビッシュや松井の目をも釘付けにした。ダルビッシュは若き右腕をこう評価する。
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「ライブBPの数字とかを見ても、本当に今すぐメジャーに通用する球は投げている。あとはレベル(投球の質を)をどれだけ維持できるかどうか。球種のデータ自体はすごくいいですから本当に楽しみ。高出力で100マイル近くも出すことができますし、すごくいいピッチャーだと思いますね」
ダルビッシュは昨季、メジャーで自身の調整をしながら、時間があれば後輩の映像やデータを常にチェック。「何かあれば、いつでも連絡して」と手を差し伸べた。球速、変化球の回転数や変化量などは「今すぐメジャーで通用する」と認める。あとは、試合のレベルでコンスタントにその球質を投げ続けることができるかどうか。
バルザーが目指すステップアップ
昨シーズンが実質的に投手1年目だった右腕は、なによりまだ経験が足りない。フィールディングやけん制、走者を背負った場面で落ち着いたピッチングが続けられるか……。ボール自体はすでに一級品だが、その経験不足を埋めるべく、まず怪我なくマウンドに立ち続けることが必要になる。
中4日のルーティーンに慣れながら、調整方法、リカバリーのサイクルを勉強中だ。昨シーズンは、パドレス傘下の1Aレークエルシノアに所属。16試合(13先発)、合計50回を投げ49三振、防御率7.92だった。今季も1Aに配属され、1段階上のハイAフォート・ウェイン、2Aサンアントニオへの昇格を目指す。
「ハイAに行って、2Aに行って(シーズンが)終わって、フォール(秋季アリゾナ教育)リーグに投げて、来季はメジャーのキャンプに(招待選手として)呼ばれることが目標です」

