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「自分の指導は間違っていた」高校野球の熱血監督が“猛練習をやめた日”「卒業生と飲むと…僕の悪口を」新入部員、衝撃の0人「この人数ならやりません」
posted2026/04/07 06:00
高知農野球部を率いる下坂充洋監督、33歳
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kota Inoue
高知農野球部を率いるのは、33歳の下坂充洋だ。高知の公立校、岡豊の正捕手として四国大会4強を経験し、東京農大で"戦国東都"に揉まれた。農業の教員免許を取得して高知農に赴任すると、間もなく監督に就任。「バリバリ動けたし、目線は東都」だった下坂は、高知農監督に就任した直後から選手たちに猛練習を課した。一日のスイング量は多いときで1500本。雨の日はポール間走を60本、手押し車もこなした。
だが結果はついてこなかった。公式戦では初戦突破するのがやっと。次第に中学生も高知農に目を向けなくなった。
「新入部員0人」監督が知った瞬間
決定打は2021年4月7日、入学式後の部活動勧誘だった。入部希望者が誰一人として来なかった。
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「入部希望者のユニフォームの採寸もできるように、メーカーの方にも来ていただいていたんですけど、誰一人として来ない。部員たちもすっごくしょげてしまって」
「『野球やらない?』と声をかけても、『この人数ならやりません』と」
メーカーの担当者に平謝りし、現役部員たちを慰めたあと、下坂はグラウンドそばの駐車スペースで遠くの山を見つめた。高知弁で「めった(困った)」という言葉が頭を埋め尽くした。
「両耳から耳鳴りがしました。ショックが大きすぎて」
翌年に5人の入部希望者が現れたことを境に、下坂は指導方針を根本から見直した。ノックの球数を大幅に減らし、量で見つけさせていたものを「一緒に考えて見つける」スタイルへ転換した。
かつて猛練習でしごいた教え子たちとは、後に飲みの席で再会している。
「今20代後半の当時の生徒らと、この前飲みに行ったんです。もう、悪口ばっかりですよ(笑)。『本当に練習がキツかった』って」
自嘲気味に笑いながら語るその言葉の裏に、「自分の指導は間違っていた」という確かな自覚がある。変革の先に何があったのか――高知農があの明徳義塾と延長タイブレークの激闘を演じるまでの軌跡は、本編でさらに詳しく描かれている。
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
