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野球クロスロードBACK NUMBER
「それで甲子園、逃したんやぞ!」センバツで4年ぶり全国制覇…大阪桐蔭に起こっていた変化とは? 「常に緊張感を」で生まれた“勝利への執念”
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2026/04/02 17:02
大型左腕・川本晴大の熱投もあり、4年ぶりにセンバツを制した大阪桐蔭ナイン
「あと一歩」や「捕れない」と思われる打球であっても食らいつく――そういった意味合いを持つ野球の鉄則には、様々な解釈を持つことができるが、行きつく先はひとつだ。
勝利への執念である。
「ここで捕らないと負けるぞ!」
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「それで甲子園、逃したんやぞ!」
厳しい言葉でチームを追い込んできたのだと、黒川は足跡を振り返る。
「練習ひとつの球際から詰めていかないと、また同じ悔しさを味わうだけなんで。練習からどれだけ試合に近い強い気持ちでできるかが大事になってくるんで、常に緊張感を持ちながらやってきました」
「負けた悔しさは忘れていない」前チームからの想い
黒川が突き詰める「球際」に「負けない精神」を付与したのが、前チームからレギュラーを務める内海竣太だ。
昨年夏、決勝戦のグラウンドで打ちひしがれた内海は、「あと一歩」を知る数少ない男である。
「レギュラーとして出させてもらっていたなかで、落ち込んだ姿を見せてしまうとチーム全体が下がってしまうというか。去年の夏に決勝で負けた悔しさっていうのは忘れていないんで、自分がどんな状態でも全力でプレーしていこうって心掛けて。それがチーム一丸にも繋がっていくと思っています」
大阪桐蔭がマグマのように溜め込んできた武器を、センバツで噴出させる。
なかでも印象的なシーンがある。2回戦の三重戦だ。5-5で迎えた9回裏、2アウト二塁からレフト前ヒットを打たれる。あらかじめ前進守備を敷いていた仲原慶二の好返球によってサヨナラ負けを脱し、延長戦の末に勝利をもぎ取ったのである。
ショートからコンバートした仲原は、外野守備には「自信がない」という。にもかかわらず、9回のピンチでは「自分のところに飛んでこい!」と念じていたというのだ。

