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「あなたがそれを作ったのです」坂本花織に海外記者が伝えた言葉…坂本はなぜ選手、関係者から愛されたのか? 最後の世界選手権で見せた“最高の演技”
posted2026/04/02 11:03
世界選手権で有終の美を飾った坂本花織
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
大団円を迎えた。
チェコ・プラハで行われていたフィギュアスケートの世界選手権で、今シーズン限りでの引退を表明している坂本花織が金メダルを獲得。競技生活を締めくくった。
「これ以上満足のできる演技はできないくらい今日はやり切ったし、すごく今は幸せです」
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フリーを終えた後、坂本はそう語ったが、フリーに限らず、ショートプログラムとともに2本、まったくミスのない完璧な演技だった。
競技人生最高とも言える演技
ショートプログラム『Time To Say Goodbye』では79.31点と今季世界最高得点でトップ。そのうち演技構成点では、アンナ・シェルバコワ(ロシア)を上回り、世界歴代最高点をマークする。
フリー『愛の讃歌』でも158.97点と今季世界最高、総合得点でも238.28点の今季世界最高得点。ショートプログラム、フリーともに、他を圧倒する演技構成点、ジャンプ、スピン、ステップのすべてにおいて高い加点を得た技術点、パーフェクトかつ最高の演技をみせた。
世界選手権優勝はこれで4度目。第二次世界大戦後でみると、世界選手権女子の優勝回数はキャロル・ヘイス(アメリカ)、ミシェル・クワン(アメリカ)が計5度で最多タイ。坂本はその2人に次ぐ回数となった。
競技人生最高と言える演技を披露した世界選手権であった。それは同時に、あらためて精神力の強さを示す大会でもあった。
もともと集大成として見据えていたのは、2月のミラノ・コルティナ五輪だった。だから、世界選手権代表には選ばれていたものの、出場は必ずしも明確に思い定めていたわけではない。

