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マリニンが世界選手権3連覇、大復活のウラで…男子メダリスト“全員が反対した”ルール改定案のナゾ「まず選手の意見を聞いてほしい」声明に込めた懸念
posted2026/04/04 17:00
まさかの結果となったミラノ五輪を経て、世界選手権3連覇を達成したマリニン(米国)
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田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
21歳のイリア・マリニンが、プラハ世界選手権で3度目のタイトルを獲得した。ミラノ・コルティナオリンピックではまさかの8位に終わった後、いちはやく世界選手権でのリベンジを表明したマリニン。SP、フリーとも大きなミスなく滑り切り、総合329.40で3年連続となる世界王者のタイトルを手にした。
SPでは、111.29で自己ベストスコアを更新し、トップに立った。2日後のシェイリーン・ボーン振付によるフリーでは、4フリップから演技を開始。4アクセルには挑まずに、3アクセル、4ルッツ、そして後半で4ルッツ(4分の1回転不足)+1オイラー+3サルコウなど、合計5本の4回転を降りた。ほぼノーミスの演技を終えると、やりきった、というように上を仰ぎ見て、興奮が抑えきれないように何度も拳を握りしめた。
四方の観客に挨拶をした後、氷を上がり、父親のロマン・スコルニアコフコーチと手のひらタッチの後、ハグを交わした。その後、暫定1位の選手が座るリーダーズチェアから立ち上がって拍手を送っていた鍵山優真のところに向かうと、笑顔でハグを交わし合った。
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「やった、やりきった、という気持ちです」演技後に気持ちを聞かれたマリニンは、そう答えた。「一つ一つの瞬間を、楽しみながら滑りました。ここに来て本当に良かったと思うし、全てのこと、全ての人に感謝の気持ちを抱いています」
マリニンが苦笑した“ある質問”
会見場では、マリニンを中央に、会心のフリー演技でSP6位から総合2位へ上がった鍵山、SP4位から総合3位に上がった佐藤駿が両側に座った。
「オリンピックで感じたプレッシャーに比べると、この大会は今までで一番楽な世界選手権でした。周りからの期待やプレッシャーを完全にブロックして、この大会では自分のために存分に楽しもうと決めて来て、それが実行できたと思います」とマリニン。
米国の記者から、「4アクセルをやらなかったのは、大きなリスクをとりたくなかったからか」という質問が出た。2度のルッツを含む4回転を5本入れて、「リスクをとらなかった」と言われるのは、12月のGPファイナルのフリーで4回転を7本成功させるという偉業を成し遂げたマリニンだけだろう。本人は苦笑しながら、「今季最後の大会をリラックスして楽しみたかったんです」と答えた。

