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「時間ありますか?」坂本花織がお菓子を配って…海外記者も「なぜ引退するのか?続ける気はない?」世界選手権で現役引退、中継には映らなかった舞台裏
posted2026/04/01 17:05
世界選手権最後の演技を終え、ガッツポーズを作った坂本花織
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田村明子Akiko Tamura
photograph by
AFLO
3月27日、チェコのプラハで開催された世界選手権で、25歳の坂本花織はおよそ15年に及んだ競技生活に別れを告げた。フリーと総合点ともに自己ベストスコアを更新し、日本の選手として過去最高の4度目の世界タイトルを手にした。これ以上ないエンディングを迎え感涙にむせぶ坂本に、プラハの観衆は惜しみないスタンディングオベーションを送った。
坂本への声援は別格の熱狂ぶりだった
1万5000人ほどの観客で埋まったO2アリーナ。女子SPの日から、坂本に対する声援は別格の熱狂ぶりを見せていた。
「ボルテージの上がり具合がびっくりするぐらい、声援というよりは叫び声という感じくらい応援の熱量がすごかったので、応援の期待には応えたいなというのはすごくありました」。坂本は、試合後にそう感想を述べた。
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彼女が世界中でこれほど人気があるのは、単に長い間トップレベルを保ってきたからだけではない。それは彼女が普段からさりげなく見せてきた、本人の人徳、としか言いようのない言動の数々をファンたちが覚えているからだ。
今季で引退と宣言して挑んだミラノ・コルティナオリンピックで、銀メダルに終わって悔し涙を流した坂本に、このプラハで有終の美を飾ってほしい。そう願っていたのは観客たちだけではなく、報道陣も、そしてジャッジや関係者も、ほぼ全員だったと思う。そのエネルギーがひしひしと伝わってくる会場の熱気だった。

