魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER
元大関・魁皇が疑問視する、相撲界のトレンド「筋トレのやり過ぎはダメ」“不調”安青錦には「足を痛めた話もあったが…」「稽古の番数を増やして」
text by

浅香山博之Hiroyuki Asakayama
photograph byAFLO
posted2026/03/31 11:04
春場所3日目、安青錦が若隆景を攻め、押し出しで下す。安青錦は、今場所7勝8敗と初めて負け越した
それと、筋トレをやり過ぎてもダメ。ケガをしない体を作るためにも、相撲界では四股やすり足の基礎を、さらに徹底的にやったほうがためになります。安青錦は稽古の番数はあまりこなさないと聞いてるけれど、15番を20番、20番を25番と少しずつ増やしていくのもいいと思う。なぜかと言うと、やはり相手と当たった時に重さを肌で感じたり、「この瞬間にこう力を入れられてしまうんだ」「次はもっと下から行かないといけないな」などと、相手との稽古でしかわからない、身につかないものがあるからなんですよね。ケガしたり体調がよくない時、それこそ勢いが止まった時に、そこで稽古で培った地力が出る。この地力が生きて、窮地をうまく乗り切れるものなんです。
「荒れる春場所」で気になった力士
技能賞を受賞した藤ノ川も、気持ちの強い気迫の相撲を見せてくれたし、新入幕で敢闘賞を受賞した藤青雲も、一度はケガで三段目まで番付を落としていたのに、ここまで戻って来たのはすごいこと。最後まで優勝争いし、同じく敢闘賞を受賞した琴勝峰も、昨年7月の名古屋場所で優勝して以来、あまり目立った活躍もなかったけれど、もっと自信を持って、下半身の強さを活かした今場所のような相撲を、今後も続けてほしいところです。
あと新入幕の頃から期待していた、前頭10枚目の豪ノ山が10勝。突き押しが冴えていたなぁ。当たってからの勢いと、前に一気に持ってく力強さが気持ちいいんですよ。負けん気も強そうで気迫が伝わってくる。周りも刺激を受けるはずですよ。
ADVERTISEMENT
「荒れる春場所」と言われ、今場所もその通りだったけれど、全体的に攻防のある相撲が多くなった印象ですね。さて、休む間も、花見をする間もなく、相撲界一行は春巡業に出ています。スケジュールはハードだけれど、体に気を付けて無事帰京し、また5月の夏場所で、いい相撲を見せてほしいものです。
(構成=佐藤祥子)

