テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「ムネ、打ちました?」大谷翔平の声に報道陣ざわつき…ロハスとテオは「64万円高級時計ギフトに感激」“テレビに映らない”ドジャース舞台裏
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by Brandon Sloter/Getty Images
posted2026/03/31 06:01
ワールドシリーズ3連覇に向けて始動した大谷翔平とドジャース。テレビに映らない舞台裏は?
その後、着替えている途中、上半身裸のスパッツ姿のままシャワールームに向かうと、不意に足を止めて「ムネ、打ちました?」と大きめの声を上げた。
大谷は普段、滅多に報道陣に声を掛けることはない。20人以上はいたであろう日本メディアは虚をつかれ、誰に話しかけているんだろうと後ろを振り返る者もいた。かく言う私もその一人。通訳のウィル・アイアトン氏に話しかけているのかと勘違いしていた。ただ、その場にアイアトン氏はいなかった。
数秒、間が空き、自分たちに話しかけていると気付いたある別の記者が「四球2つです」と答えると、大谷は無言のまま大きく数度、頷いてシャワールームへと再び向かった。報道陣は当然、ざわついた。あわや全員で大谷を無視してしまうところだった。
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「ムネ」とは、もちろんホワイトソックスの村上宗隆のことだ。
クラブハウスには天井の壁沿いなどに10台以上のテレビが陳列され、3時間時差が進んでいる東海岸を中心に先に開幕を迎えた各試合が中継されていた。基本的に日本選手であろうとあまり他の選手の結果を気にしない大谷だが、この日ばかりは侍ジャパンでともにWBCを戦った後輩のメジャーデビュー戦が気になる様子だった。
ロハスもテオも感謝した「高級時計のギフト」
こんなこともあってか、私を含む日本メディアの大半、いや、おそらく全員が“あること”に気付いていなかった。報道陣向けに1時間ほど開いていたクラブハウスが閉まると、米メディアの一人がX(旧ツイッター)にあることについて投稿した。
“あること”はそのXに記されていた。
「各選手のロッカーに大谷からのギフトバッグが置かれていた。タグには“Happy Opening Day-Three-Peat”と書かれ、高級なSEIKOの時計とボトルが置かれていた」
という内容だった。
「Three-Peat」は「3(three)」と「repeat」を合わせた造語で3連覇を意味する。
NBAのロサンゼルス・レーカーズなどを率いた名将パット・ライリー氏が運営する会社が商標権を持ち、昨秋のワールドシリーズ(WS)制覇後の優勝報告会でデーブ・ロバーツ監督がファンに向かってこの言葉を絶叫した。今やチームの合言葉となっている。

