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甲子園の風BACK NUMBER
沖縄尚学“甲子園優勝キャッチャー”の苦言「なぜあそこで末吉良丞にストレートを…」“投手力に依存しすぎた”沖縄尚学の課題「チームとしてまだまだ」
text by

松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/28 17:03
帝京の蔦原悠太に逆転の2点タイムリーを打たれた末吉良丞。「夏春連覇」の夢は初戦でついえた
「なぜストレートを…」甲子園優勝キャッチャーの苦言
試合の分岐点となったのは、沖縄尚学が1点をリードして迎えた8回の帝京の攻撃だった。
エラー2つに四球で1死満塁になったところで帝京の五番・蔦原悠太。それまでの3打席は、三振、ライトフライ、強烈なゴロでの三塁内野安打と打席を重ねるごとにタイミングが合っている。長打力があるバッターでもあり、理想を言えば三振を取りたい。
初球のフォークがボール。2球目はスライダーで空振り。
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1ボール1ストライクからの3球目、蔦原は真ん中インコース寄りのストレートを狙いすましたように思い切り振り抜いた。センターオーバーの2点タイムリーで逆転。キャッチャー目線で話す宜野座は、後輩の山川大雅のリードに苦言を呈した。
「2球目のスライダーにまったくタイミングが合ってないのがわかっていて、なぜ見え見えのストレートを投げさせるのかな」
野球はたった一球で勝敗が分かれる。この場面こそ、ゲームのターニングポイントだった。2つのエラーでランナーを出し、四球で満塁となった時点で試合は大きく動く可能性が高い。当然、山川もそんなことはわかっている。だからこそ、より慎重にいかなくてはいけない場面だった。
試合後のインタビューで蔦原は「チェンジアップを狙っていたんですが、うまく対応できました。最初はセンターライナーかなと思ったんですけど、頭を越えてツーベースになって逆転したので“勝てるぞ”と思いました」と答えている。
一方、末吉は「三振を狙いにいきましたが、力負けです」と認めた。チェンジアップを狙われての渾身のストレートを弾き返されたということは、それだけ球に伸びも力もなかった証拠だ。
この一球だけをもって、末吉と山川のバッテリーを責めるのは酷かもしれない。しかし、ここぞという場面で冷静に最善策を取れるようでなければ、再び頂点を獲ることは難しいだろう。

