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マリニン“最大の謎”「練習で成功…5回転ジャンプは本当に可能か?」男子フィギュア初の4回転から38年…成功させる条件「太ももの筋肉も備えている」 

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和田隆文

和田隆文Takafumi Wada

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posted2026/03/28 11:03

マリニン“最大の謎”「練習で成功…5回転ジャンプは本当に可能か?」男子フィギュア初の4回転から38年…成功させる条件「太ももの筋肉も備えている」<Number Web> photograph by Getty Images

「4回転の神」マリニンは本当に5回転を跳べるのか?

 吉岡氏は「もう少し助走速度を速くしなくてはいけないかもしれない」とみる。そうなると踏み切りが技術的、タイミング的に難しくなる。ジャンプは氷から力をもらい、水平方向の速度を高さと回転運動に変えるメカニズム。助走のスピードが上がれば上がるほど、踏み切りでの少しの遅れや早すぎる動き、腰や肩の位置、手を振り上げる方向など、ずれの許される範囲が狭くなる。  

 マリニンは174センチと身長が比較的高いため、回転軸が縦に長く、踏み切りでぶれやすい。ただ体型的には肩幅や骨盤の幅が狭く、いわゆる軸が細いのは利点だ。

5回転に必要な“筋肉” 

 さらに吉岡氏は「細かいところで工夫して稼ぐ余地はある」とした。踏み切りで体を締めるタイミングを早めれば回転速度は上がり、着氷へ向けて体を開くタイミングをぎりぎりまで待てれば滞空時間が伸びる。「1割弱」高めるのは「十分に可能」と語った。  

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 そうするためのフィジカルも備えているとみる。  

「両腕を引き寄せて体を早く締めるための筋力、締めたときに(体勢を)保つための体幹、体を開くための筋力に加えて、膝を伸ばして踏み切るために一番大事な太ももの表側の筋肉など、上半身、下半身ともそれなりにトレーニングしているように見える」  

 マリニンは5回転に確かに近づいている。フィギュアスケーターの技術とフィジカルの限界はどこにあるのか。吉岡氏は「そろそろ来ているとは思う」と言って、こう続けた。  

「アクセル(5回転半)までいくかどうかは分からない。(それ以外の)5種類を全て跳ぶ選手が出てくるかどうかも分からないが、いろんな選手が跳んで5種類がそろうところまではいくかもしれない。彼が特別すごいわけではなく、今の流れなら、世界の男子のトップ10人くらいは跳べる可能性があると思う。ただ、6回転は無理ではないか」

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#イリア・マリニン

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