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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
前回WBC優勝後「日本の関係者からは何も聞き取りがなかった」ダルビッシュ有の危惧が現実に…「振りしぼって、なんとか勝った」後に必要だったこと
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byNaoya Sanuki
posted2026/03/26 17:00
2023年大会で優勝したものの、ダルビッシュはそのときから危機感を抱いていた
「(2023年大会で)確かに決勝でアメリカに勝ちましたけど、試合展開を見たら基本的には先発のトップレベル、日本のトップレベルの選手が短いイニングをつないで、自分の思いっきり120パーセントの力でいって、なんとか勝ったってことなんですよ。そうじゃなくて、先発だったら5〜6イニングを普通に投げて、中継ぎのベストが出てきて(正攻法の勝ち方)とかだったら分かるんですけど、もう(全力を)振りしぼって勝っている」
ダルビッシュは、両国がベストのメンバーを揃え、お互いが“言い訳”をできない条件での真っ向勝負で勝ちたい、と願っていた。
「日本球界は本当の意味でWBCでも(各国代表にスターの)誰々選手がいない中で勝ったとかじゃなくて、本当にがっぷり四つで勝ったっていう状況にしたい。リーグで見ても日本の球界の方がレベルが上だってなってほしい」(2024年1月のコメント)
正面からの戦いで強豪を上回るために
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今大会であれば、ドジャースの大谷翔平が二刀流で出場する。準々決勝ではドジャースから「60球」の球数制限を課されていた山本由伸が、ルールでの球数(準々決勝は80球、準決勝からは95球)まで投げる。かたや米国代表は、ポール・スキーンズ(パイレーツ)、タリク・スクーバル(タイガース)らを全力で投げられる状況でそろえる。
そしてスピードとパワーで米国、ベネズエラ、ドミニカ共和国、メキシコ、プエルトリコなどの強豪チームを上回る。それがダルビッシュの目指す日本野球だ。2023年大会後、ダルビッシュが「議論」を期待したのは、日本がWBCや五輪などの一つの国際大会で優勝するだけではなく、根本的な日本球界の発展を願ってのことだ。
「(2023年大会では米国代表と)10回やったら2回勝てるかな?(という実力差の中で、その勝ち)を1回目に持ってきた、っていう話じゃなくて、もっとコンスタントに勝つために底力をバンと上げる必要は絶対ある」
いわゆる世界基準の野球で正面から勝負する。そのために、ダルビッシュが望み、必要だと感じていたことがある。
〈全2回の1回目/2回目につづく〉

